ハムナプトラ2 黄金のピラミッド
監督:スティーヴン・ソマーズ
出演:ブレンダン・フレイザー/レイチェル・ワイズ/ジョン・ハナー/アーノルド・ヴォスルー/オデッド・フェール/ザ・ロック/フレディ・ボース/パトリシア・ヴェラスケス/アラン・アームストロング/アドウェール・アキノウエ・アグバエ/ショーン・パークス/ブルース・バイロン/ジョー・ディクソン/トム・フィッシャー/アーロン・イパール
30点満点中17点=監4/話3/出3/芸4/技3
【エジプトの呪いvs無敵の王vs運命の戦士】
ハムナプトラの激闘から数年、オコーネルとエヴリンは、息子アレックスとともに、エヴリンの夢に出てきた遺跡を発掘していた。いっぽう大英博物館の館長が率いる謎の集団はイムホテップを蘇らせ、アレックスの持つ腕輪を狙う。腕輪によって闇の神アヌビスのしもべ=スコーピオン・キングを呼び出し、これを倒して世界を手に入れるのが狙いだ。妖艶な美女ミラやアーデス・ベイ、神の戦士の伝説も絡み、ふたたびの激闘が始まる。
(2001年 アメリカ)
【21世紀的アドベンチャー・ゲーム風映画】
前作『失われた砂漠の都』の2年後に作られた第2弾。
クライマックスが連続するというノリは前作通り。古代エジプトから続く呪いと運命、その行方を基調に、シンプルなストーリーが怒涛のごとく転がっていくという全体的な展開・雰囲気も前作を踏襲している。
ただ、後付けの唐突な設定も多くて「少年ジャンプ」的。視覚効果も、キャパシティ以上に頑張ろうとしてCG臭さが鼻につくようになった。
それでも、過去と現在の結びつきをスリリングに描写したり、ピンチや戦いを平行して描くことでワクワクドキドキ感を強めたりなど、見せかたの上手さはアップ。相変わらず大切にされる肉弾戦、『LOTR』などへつながる大軍vs大軍のスケール感、底なし沼など楽しさもいっぱい。サントラの乗せかたもゴージャスになった。
ドミノ倒しや死者の書のコウノトリ(血は争えないんだね)といった前作との連続性を盛り込んで、ファン・サービスもバッチリだ。
前作が遺跡内を中心とするアトラクション的な作品だったとすれば、今回はオコーネル&エヴリン夫妻の屋敷、ロンドンやカイロの街中、砂漠に空にジャングルにピラミッドと、ロケーションはグっと多彩となり、アクションのバリエーションも増えてアドベンチャー・ゲーム的。それは21世紀的な作りといえて、「20世紀最後の基準作」から順当にステップアップを果たしている。
全体に「正当に進化・変化した、正当な続編」と感じさせる仕上がりだ。
生き生きと動くキャラクターも本作の楽しさ。
レイチェル・ワイズ=エヴリンは可愛さ減少、けれどたっぷりのアクションで新しい魅力を引き出してもらっている。ジョナサンの悪運ぶり、アーデス・ベイのカッコよさは健在。アレックスはチャーミングに活躍し、パトリシア・ヴェラスケスは前作以上に色っぽさをふりまき、イムホテップも人間っぽさが出て味のある悪役になった。もちろん、ロック様の(チョイ役だしほとんどCGだけれど)持ち前の肉体美と動きのシャープさを生かした役どころもいい。
ま、今回も「以上でも以下でもない」というデキ、深みも幅もないし、あくまで“それなり”のアクション映画だけれど、それはそれで潔さがあっていいじゃんと感じさせる、「まあまあのパート2」である。
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