モスクワ・ゼロ
監督:マリア・リドン
出演:ヴィンセント・ギャロ/オクサナ・アキンシナ/ヴァル・キルマー/ヨアキム・デ・アルメイダ/レイド・セルベッジア/ジョス・アックランド/アレックス・オドハーティ/フリオ・ペリリャン/セイジ・スタローン
30点満点中13点=監2/話2/出4/芸2/技3
【地下深くに待つものは?】
モスクワの地下に続く迷宮、そこで暮らす多くの浮浪者たち。学者セルゲイは「迷宮に地獄への入口がある」という伝説に興味を惹かれ、浮浪者のリーダー・トルストイと接触、その後、迷宮へ潜り込んだまま行方不明となっていた。彼を探すべく、セルゲイの旧友であるオーウェン神父、セルゲイの助手アレック、ガイド役のユーリとパヴェル、地下に住む女性リュバらは地下深くに潜入、悪魔が棲む“川の向こう”へと足を踏み入れるのだが。
(2006年 アメリカ/スペイン/イギリス)
【ウダウダっと、ウロウロが続く】
取り残された少女たちや2グループからなる浮浪者たち、セルゲイや神父の価値観が掘り下げられることは、ない。神父とリュバはいきなりくっついちゃって、リュバとアンドレイの関係はあやふやなまま。伝説の成り立ちと帰結もサラリと終わらせてある。
極論すれば、地下へ行きました、というだけの話。枝葉はなく、ひたすらウロウロ。
そこで問われるのは「どう撮るか?」という部分=演出になるはずなのだが、“面白くしよう”という意識が微塵もない。いや、面白く撮ろうとしているんだけれど上手く機能していないのか。
序盤、オーウェン神父が握手のため差し出す手に、節くれだった指をグワっと伸ばすトルストイ。そのカットで「ふむ、ディテールを大切にした、いい撮りかただな」と思ったのだが、感心はそこまで。
歪んだ画像は、さして怖くない。編集/シーン遷移が乱暴なせいか、セルゲイ、探索グループ、川の近くに住む門番たち、少女、それぞれの位置関係や距離感が曖昧で緊迫感がない。各場面で画質を変えて雰囲気の違い・時間の違いを出しているのかなとも感じたが、そういうわけでもない。そもそも暗くて狭い場所をウロウロしているだけで画面のバリエーションが少ない。
結果、ウダウダっとしたままウロウロっが続くだけのC級オカルト・スリラーになってしまっている。
救いはオクサナ・アキンシナちゃんの美貌なんだけれど、暗い場所をウロウロしているだけだから、顔立ちがよくわからないんだよなぁ。
そう、当然のように『ウルフハウンド』や『リリア 4-ever』のオクサナちゃん目当てで観たわけだが、その欲求すら満たしてくれない、イケてない作品である。
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