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2010/09/29

タイムリミット

監督:カール・フランクリン
出演:デンゼル・ワシントン/エヴァ・メンデス/サナ・レイサン/ディーン・ケイン/ジョン・ビリングスレイ/ロバート・ベイカー/アレックス・カーター/アントニー・コローン/テリー・ローリン/エリック・ヒッソム

30点満点中18点=監4/話4/出4/芸3/技3

【窮地に陥った警察署長】
 フロリダの小さな港町バニアン・キー。警察署長マットは人妻のアンが末期ガンに侵されていると知り、麻薬事件の証拠金を彼女に手渡す。だがその直後、アンと夫クリスが何者かに殺されてしまう。アンに掛けられた生命保険の受取人、電話の通話記録、目撃者……、すべての証拠がマットにとって不利と思われる中、彼は、事件の捜査にあたる別居中の妻アレックスを出し抜こうと奔走する。思いもよらぬ陰謀が裏に隠されているとは知らずに。
(2003年 アメリカ)

★ややネタバレを含みます★

【スリルとユーモア】
 ほぅら、これでもか、とばかりに、マットにとって“マズイ”状況が次々と襲い掛かってくる。ホテルの場面以降はやや力任せ(まぁもともとストーリーそのものが力任せでリアリティはないけれど)ながら、トータルとしては許容範囲内、証拠を潰しにかかるマットの奮闘ぶりは、なかなかにスリリングだ。

 で、「捜査にあたるのは、実は真相が明るみになると困る人物」というフォーマットは『追いつめられて』(ロジャー・ドナルドソン監督)と同じ。だがそのハラハラ感の中に、本作の場合、どこかユーモアも漂う。観ている側には、なぜか「ほぅら、どうすんだよ」というイジワルな気持ちが芽生えてくる。マットが聖人君子じゃなく、公僕としてはちょっとお粗末な“不義の人”だからだろう。不倫はするし、仕事中に酒は飲むし、チャラいし。
 その不思議な空気が楽しい。

 音楽もジャジーで軽くて、スリルとユーモアが融合したような感覚。撮りかたは現場に潜り込むような感覚を保ち、やはりスリルと「うわぁこりゃマズイぞ」というマットの焦りを上手に拾い上げる。
 演出的・作り的に「ここがスゴイ」というところはないのだが、セリフよりも映像で説明することを重視しつつ、展開の面白さを損ねないよう、手堅く流暢にまとめてあって、テンポもいい。

 珍しくチャラい役柄のデンゼル・ワシントン(ピアスなんかしてるし)、新任刑事としての「バリバリやらなくっちゃ」という空回り感と色気とを同時に放つエヴァ・メンデス、お話を引っ掻き回すようで実は頼りになる検死官チェイ役ジョン・ビリングスレイ、この主要登場人物3人の安定感もまた上々だ。

 強烈な輝きはないものの、全体に良質、退屈せず観られる1本だろう。

 さてさて、結局のところ「最初から最後まで女の手の中」だったマット・リー・ウィトロック署長。この先どうするんですかね。だって、奥さんの尻に敷かれるのは目に見えているわけで。
 要は「男どもよ、馬鹿なことはするな。なんとかしのいでも、その代償は高くつくんだぞ」という映画なのかも知れない。

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