最後の恋のはじめ方
監督:アンディ・テナント
出演:ウィル・スミス/エヴァ・メンデス/ケヴィン・ジェームズ/アンバー・ヴァレッタ/ジュリー・アン・エメリー/アダム・アーキン/ネイサン・リー・グラハム/マイケル・ラパポート/ジェフリー・ドノヴァン/ロビン・リー/ポーラ・パットン/フィリップ・ボスコ/ケヴィン・サスマン/マット・マロイ/ジャック・ハートネット/フレデリック・B・オーエンス/ジェナ・スターン/モーリク・パンチョリー/メルセデス・レナード
30点満点中18点=監4/話3/出4/芸4/技3
【恋に悩めるデート・ドクター】
彼女への想いを成就させたい、でも声をかける勇気がない。そんな気弱な男性に恋のキッカケをプロデュースする“デート・ドクター”、ヒッチことアレックス・ヒッチンスは、冴えない会計士アルバートをセレブのアレグラとの初デートへと導く。そのアレグラは、仕事一筋のゴシップ記者サラに徹底マークされる身。そうとは知らずサラに恋心を抱いてしまったヒッチだったが、実は彼自身、若い頃の経験から「本当の恋」に臆病で……。
(2005年 アメリカ)
【ザ・デート・ムービー】
「会話の90パーセントは言葉じゃない」
「アプローチ次第で、どんな女でも落とせる」
刺激に満ちて、かつ真実にも思えるセリフをヒッチが画面に向かって語りかける、という挑発的なオープニング。
以後も「独身は病気じゃない」とか「恋のルールは『ルールはない』ってこと」といったメッセージを撒き散らし、デートの作法・手ほどきをあれこれと盛り込んだりして、なかなかに楽しい内容だ。
具体的なデート・テクニックはともかく(あのトランシーバーの使いかたはステキだなぁ。今後の自分の人生に生かせるとは思えないけど)として、ヒッチのスタンスは、すべての恋する男が見習うべきものだろう。
相手についてちゃんと下調べをする。次の次まで考えた手を打つ。でも下手な演出はしない。そして根っこにあるのは「その人が苦しいくらい好き」という思いであるべき……。
そうした価値観を、プレイボーイとしてではなく、恋に失敗した者として身につけたヒッチを、ウィル・スミスが軽快に演じる。サラ役のエヴァ・メンデスは尖っていたり妖しかったりするよりも、こういう「軽めのコメディのキャリアウーマン」がピッタリ。こっちがハラハラするくらいマヌケで、でもどこか憎めないアルバートに、ケヴィン・ジェームズがハマっている。
全体に適材適所の配置で、彼らの一途な想いと、失敗とドタバタとすれ違いとを、テンポ重視、軽快なサウンドトラックに乗せて、スピード感抜群に描いていく。
まぁ、ラブコメに不可欠な“切なさ”は出ていないし、恋に臆病なヒッチとサラがおたがいに惹かれあう過程&仲直りする際の説得力も不十分だけれど、ご都合主義な設定を上手くまとめて、そこそこ気持ちよくハッピーエンドに持って行ってはくれている。
デートでこの映画を観たカップルが、食事しながら理想の出逢いやデートについて語り合う。そんな機能はしっかり果たしてくれる作品といえるのではないだろうか。
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