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2011/06/15

TAXI NY

監督:ティム・ストーリー
出演:クイーン・ラティファ/ジミー・ファロン/ヘンリー・シモンズ/ジェニファー・エスポジート/ジゼル・ブンチェン/アナ・クリスティーナ・デオリベイラ/イングリッド・ヴァンデボッシュ/マガリ・アマデイ/クリスチャン・ケイン/エイドリアン・マルチネス/アン=マーグレット

30点満点中15点=監3/話3/出3/芸3/技3

【ダメ警官とスピード狂タクシードライバー】
 アンディはNYのダメ警官。とりわけクルマの運転は大の苦手で、捜査用車輌を3台も大破させた実績の持ち主。遂には元恋人で現上司のマータ警部補に免許を没収され、パトロールへ降格となってしまう。いっぽう念願かなってタクシーの営業免許を取得したベルは、早速飛ばしまくる。そんな折、銀行強盗が発生。たまたま現場近くにいたアンディを乗せて、ベルが猛然と追跡するのは赤のBMW。味方のいない、2人の疾走が始まった。
(2004年 アメリカ/フランス)

【面白さアップのための工夫や意気込みがない】
 ベッソン印のフランス版オリジナルは未見。パート3まで作られているんだから、たぶん面白いんだろう。でも、このリメイク作品から面白さを感じることはできない。

 問題児と巻き込まれバディが大活躍、それを上司は疎んじて、というベタベタのフォーマット。細かな笑いやハプニングもベタだ。
 まぁシナリオは、やっぱりベタだった『ハービー/機械じかけのキューピッド』の人たちなので、無理もないか。

 撮りかたも80年代風、真新しさやプラスアルファがない。アンディとベルが会話する場面がちょっと長めで、テンポもよくない。
 たとえば「いくらスピードを出してもいいし、信号も無視していいから追いかけろ」といわれたとき、本来なら狂喜するはずのベルの様子をサラリと流してしまって、「ここ!」というポイント描写が見られない。
 ウリモノであるはずのカーチェイスも、全体に似たようなカットばかり。舞台は市街地と高速道路、走るのはBMWとタクシー、カメラはアイレベルで押し通していて、バリエーションが少ない。

 キャストも、アンディのキャラクター設定も演じるジミー・ファロンも中途半端で魅力がないし、マータ役ジェニファー・エスポジートやアン=マーグレットの母さんは見せ場が少なくってもったいない起用。ジゼル・ブンチェンら犯人グループの肢体だってもっと見せてくれてもよかったはず。

 評価できるとすれば、スピーディかつ適確(カットの切り返しに不自然なところはたくさんあったけれど)な編集(『エニイ・ギブン・サンデー』のスチュアート・レヴィ)と、ポップなサントラくらい。
 ああ、もちろんクイーン・ラティファはここでも魅力的で、ヒロインのベルを軽く演じ切る。元バイク・メッセンジャーという設定をちゃんと生かしたことも誠実だろう。

 が、全体としては「ここをこうすれば面白くなる」「もっと面白くしてやろう」というアイディアや工夫に欠ける仕上がりである。

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