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2011/07/29

アルマズ・プロジェクト

監督:クリスチャン・ジョンストン
出演:ジェイムズ・バブソン/ギデオン・エメリー/イナ・ゴメス/アレクサンダー・セルゲイエフ/イゴール・ショイフォ/イワン・シュヴェドフ

30点満点中13点=監2/話1/出2/芸4/技4

【宇宙ステーション内の怪事件】
 1998年。軍事目的との噂が絶えなかったロシアの宇宙ステーション・アルマズが、欧州宇宙機関(ESA)に売却されることとなった。内部のシステムや運営状況を調査するため、ボリス船長とともにアルマズへと向かうリックとウェスラー。しかし彼らが3人の乗組員、ユーリ、イワン、ララと合流して間もなく、地上管制局とアルマズとの通信が途絶える。後に回収されたブラックボックス、その記録映像から明らかになるものとは?
(2007年 アメリカ)

【イケてないフォロワー】
 フェイク・ドキュメンタリーは、その火付け役となった『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や、より娯楽性を追及した『クローバーフィールド/HAKAISHA』、コメディ仕立ての『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』など観てきたけれど、もっともイケていないのがコレだ。

 いや、序盤は悪くない。
 ややアンダーで解像度が粗く、無機質な色調は、なかなかにリアル。監視・記録用カメラおよびウェスラーのハンディカムが捉えた映像を適時編集してリズムもいい。
 ステーションの向こうの地球など船外を捉えた画面にも、ステーション内の美術にも無理がない。常に響く低周波ノイズや、そのノイズがカットによって微妙に異なるのもリアリティ向上に効いている。そもそもロシア語の会話が頻出するところが、実にそれっぽい。
 全体として、見た目的には結構頑張っている

 ところが、中盤からグダグダになっていく。
 何が起こっているのかわかりづらい撮影も、結局何があったのかをボカシてしまうのも、まぁ別に構わないというか、それでこそフェイク・ドキュメンタリーだとも思う。
 でもそれは、面白さや恐怖を創出できて初めて生きる手法だろう。

 もうじき大気圏へ突入するというのに緊迫感が薄く、クルーたちの言動にも宇宙飛行士っぽさが感じられない。エリートというより、わがままな低賃金労働者という雰囲気だ。
 いきなりサントラとしてチャントが乗っかったりして意味不明(ステーション内の音楽再生装置が暴走したとも考えられるが、だとしてもやっぱり意図不明)。
 そして、謎のコードとか謎の死とか不可思議現象を並べておいて、なのに何もかもをウヤムヤにして、いきなり「これは未知の生命体からの警告だ」と強引にまとめてしまって、つまり、あまりに無責任に放り出しすぎ。ドキュメンタリーとしても、フェイクとしても、もちろん映画としても完成していない。

 結果、「はぁ……」という感想しか沸いてこない。面白さや恐怖感を味わうことができぬままの終幕。
 やりたいことをやりきった、という印象はある。そのための美術的・技術的な力もあったとは思う。けれど、そもそも「やりたいこと」の内容やセンスが悪すぎた(または中途半端すぎた)、といったところじゃあないだろうか。

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