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2011/07/22

ブラック・ボックス ~記憶の罠~

監督:リシャール・ベリ
出演:ジョゼ・ガルシア/マリオン・コティヤール/ミシェル・デュショーソワ/ベルナール・ル・コク/エレーナ・ノグエラ/ジェラール・ラロシュ/マリサ・ブルーニ・テデスキ/ナタリー・ネル/パスカル・ボンガール/スティーヴ・カンポス/ヒューゴ・ブルンスヴィック/フランソワーズ・ガイエ

30点満点中17点=監3/話3/出3/芸4/技4

【記憶のピースがすべてつながるとき】
 クルマが大破するほどの交通事故から、奇跡的に外傷もほとんどなく生き延びたアルトゥール。だが頭部を強打し、事故前後の記憶は曖昧だ。看護士イザベルによれば、彼は目覚める際に意味不明の言葉をいくつも発したらしい。スパゲティ刈り、シルヴァン・ガネム、RP50……。それらを書き留めたメモをもとに、記憶のピースをつなぎ合わせていくアルトゥール。自分や行方不明の兄イヴァンの身に、いったい何が起こったというのか?
(2005年 フランス)

【オモワセブリックを楽しむ】
 監督は『ぼくセザール 10歳半 1m39cm』のリシャール・ベリ。なんとまぁ毛色の異なるものを送り出してきたことか。

 とにかく神経質な見た目と語り口。
 ブルーグレイでアンダー、ジャンプカットにコマ落とし、スローモーションやナナメに切り取ったアングル、こちらへ歩いてくるアルトゥールにスうっと寄って回り込むカメラワーク。撮影のトマ・ハードマイアーも『ぼくセザール』の人だが、『インストーラー』でも同じような色合い・質感を作っていて、こういう絵に凝っているのかも知れない。
 低く響くナサニエル・メカリー(『リボルバー』)の音楽、幾何学的な世界や薄汚れた部屋、取調室の冷たい光などもひたすらオモワセブリックだ。

 が、ただ雰囲気重視というわけではなく、見せるべきものをキッチリと見せ、見せたい角度にもこだわり、見せる順番も整理されているという印象。そのおかげで錯綜した記憶が少しずつ解き解されていく楽しさを味わえる。
 色調の変化によって回想/幻想/現実を描き分けたり、扉の開閉場面をたくさん用意して「ブラックボックスの中へ潜り込む」という雰囲気を創出するなど、プランニングはシッカリしている。

 ストーリーは、覚醒が二度あることの意味、なぜアリス=イザベルなのかなどスルーしてしまっている謎もあり、伏線不足、まぁ『世にも奇妙な』レベルのお話ではある。それに事故+記憶の錯綜または過去と現実と幻想の混沌というテーマじたい、すでに山のように作られている(ネタバレになるので具体名の記載は避けるが、当ブログで扱っただけでも5本以上ある)。
 それでも、オチに無理はなく、最後まで観る者の興味を引っ張ってまずまずのまとめだろう。

 凄くいい、というわけではないが、マリオン・コティヤールの肢体を拝めることも含めて、思っていたよりは楽しめた1本。

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