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2011/08/23

お買いもの中毒な私!

監督:P・J・ホーガン
出演:アイラ・フィッシャー/ヒュー・ダンシー/クリステン・リッター/ジョーン・キューザック/ジョン・グッドマン/ジョン・リスゴー/クリスティン・スコット・トーマス/フレッド・アーミセン/レスリー・ビブ/リン・レッドグレーヴ/ロバート・スタントン/ジュリー・ハガティ/ニック・コーニッシュ/ウェンディ・マリック/クレア・ルイス/ステファン・グァリーノ/トマシュ・ヒルツネン/マデリーン・ロックウィッツ/レノラ・メイ

30点満点中18点=監4/話4/出4/芸3/技3

【借金まみれなのに投資のアドバイス?!】
 ウエスト社の経済誌「サクセスフル・セイビング」編集長ルーク・ブランドンに記事を気に入られた雑誌記者レベッカ・ブルームウッド。彼女は“緑のスカーフの女性”としてユニークなコラムを発表しながら、同社の出版物でもトップに君臨するファッション誌「アレット」で働くことを夢見る。だが、衝動買いの連続、限度額オーバーのカード、積もり積もった借金、取立人には言い訳の毎日……。レベッカは、ショッピング中毒だった。
(2009年 アメリカ)

【キズもあるけれどコメディとしては軽快】
 浪費家でもなければ最新のファッションで着飾ることに興味のある人間でもないけれど、「買い物をすると世界が素敵になる」、「男は店員ほどチヤホヤしてくれない」というレベッカの気持ちは、理解できなくもない。男性だってセールとか半額なんて言葉には弱いしね。
 で、「カード会社は『使え』と煽っておいて、後から嫌がらせ(請求書)をする」と、理不尽な怒りを抱くことになる。

 そんなレベッカが自分自身に振り回される様子を、軽快かつユーモラスに描いていく。
 誘惑するマネキン、まさかのときに備えて氷づけにしておいたクレジットカードなど、ショッピング・ホリックらしさを説明ではなくヴィジュアルとアイディアで示した点が、まずは良。
 彼女とは対照的な価値観を持つ恋の相手、レベッカを心配する親友、恋敵や愉快な両親、コメディ・シークエンスを円滑に回す秘書といったキャラクター配置も、ありきたりだけれどバランスがいい。

 アイラ・フィッシャーは『ラブ・ダイアリーズ』とはまた違った明るいコメディエンヌぶりを見せてくれるし、自分に挑戦する編集長役のヒュー・ダンシー、いかにも「ヒロインの親友」というクリステン・リッター、平凡な価値観という幸せを纏うジョーン・キューザックとジョン・グッドマンの両親ぶり、ファッション誌編集長のクリスティン・スコット・トーマス、当てられ役のレスリー・ビブと、みな適役。それぞれ細かな芝居を要求され、それに応えていることもわかる。

 値踏みの視線でレベッカを見るアリシア、チャリティー・オークション会場に真っ先に飛び込んでくる出版社受付けのアーロン、結婚式で見違えるようにカッコいいスーズの彼ターキン(これでスーズが「本物を見極める目」を持っていることがわかる)……と、適確なカットをポンと挿入し、なるほどこの場面にはこの絵が必要だよな、と気づかせてくれる上手さもある。描写と組み立てのセンスはなかなかのものだ。

 ストーリーのほうは、かなり『プラダを着た悪魔』を意識した内容だが、あちらよりも軽さを重視、けれども何気なく登場するホームレスを伏線として用いるなど、シックリとお話を組み立てている。
 エメラルド・グリーンのスカーフが誘う夢の世界、「値段と価値は別」という真理への目覚め、自分だけのイエロー・ブリック・ロードを見つけ、いるべき場所へ戻り、そこへ添えられる赤い靴……。『オズの魔法使』をモチーフとした展開と見せかたが楽しい。

 まぁ、中毒という病気がそう簡単に治るわけもなく、専門知識のないレベッカがあれよあれよと注目されたりして、都合のよさは満載。時おりドタバタ色が濃くなりすぎるのも気に障る。
 が、そうしたキズが深くならないよう、軽快に、意外と気持ちよくまとめられたコメディだと思う。

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