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2011/12/17

くもりときどきミートボール

監督:フィル・ロード/クリストファー・ミラー
出演:ビル・ヘイダー/アンナ・ファリス/アンディ・サムバーグ/ブルース・キャンベル/ミスター・T/ボビー・J・トンプソン/ベンジャミン・ブラット/ニール・パトリック・ハリス/アル・ロッカー/ローレン・グラハム/ウィル・フォーテ/マックス・ノウワース/ピーター・シラクサ/アンジェラ・シェルトン/ジェームズ・カーン

30点満点中18点=監4/話3/出3/芸4/技4

【空から食べ物が降ってくる!?】
 大西洋に浮かぶ小さな島スワロー・フォールズは、名産品のイワシ以外にたいした産業も資源もない退屈な場所だ。ここに暮らす発明マニアのフリント・ロックウッドは「自分の発明でみんなを幸せにしたい」と考えているものの、失敗続きで島民に迷惑をかけるばかり。水からあらゆる食べ物を作るマシンも暴走して町を破壊、空へ消えてしまう。ところがマシンは生きていて、さまざまな食べ物を島に降らせ続けるようになり……。
(2009年 アメリカ アニメ)

【主人公フリントの様子が楽しい】
 曇り空、ガラス瓶、水、ゼリー、ステーキ、食べ物の奔流といった質感の表現が見事。金網を指でにぎったときの“たわみ”なんかも上手に描かれている。舞台を大きく見せて広がりを示すカメラワークも冴えているし、ライティングも多彩。浮遊感や重量感も良好。そして「色の純度」というものを感じさせるほどにカラフル。
 キャラクターの動きも、ちょこちょこ歩いたり素早く飛んだりなどユーモラス。ねんど人形風のデザインもカワイイ。

 監督ふたり(脚本も)は「リンカーンやJFK、クレオパトラやガンジーといった偉人のクローンが通う高校」という題材のTVアニメで評判になった人たちとのこと。そのアイディアやセンスに、『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ2D版』、『美女と野獣』、『スピード・レーサー』『ポーラー・エクスプレス』『モンスターズ・インク』『ベオウルフ/呪われし勇者』などに参加してきた、それぞれタイプの異なるアニメーター/美術/VFX/SFXスタッフが加わって出来上がった作品である模様。
 OPクレジットに「FILM BY A LOT OF PEOPLE」とあるが、まさに「いろんな人の仕事の結集」というものをうかがわせる。3DCGアニメとしての仕上がりは、なかなかに上質だ。

 そうした世界の中で動く登場人物たち、とりわけ主人公フリントの様子が楽しい。発明品の外観までカッコよく決めようとしたり、クール・マシン・ボイスを搭載したりなど「外面」を気にするところが、いかにも現代的でおバカで若いマッド・サイエンティストっぽい。
 そして、作業手順をいちいち単語や短いセンテンスで宣言しながら行動するところがツボ。それを恋愛にも持ち込んで「瞑想する自分」なんて内省してしまうのが笑える。

 このフリントの描きかたをはじめ、全体として「事件に巻き込まれた人」というより「人が起こしてしまった事件」というテイストでまとめられているのが、いい。まずは人ありき。この人なら、どうするか。この人だから、こうなった。そういうベクトルでストーリーは進む。
 そのおかげで、単なるスラップスティックではない、ちょっとした情や深みもある作品になっているように思う。

 会話やリアクションにアメリカ製コメディらしいグダっとした間(ま)もあるけれど、軽快で、ニギヤカで、笑えて、メッセージもこめられている、楽しい映画である。

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