ウィッチマウンテン/地図から消された山
監督:アンディ・フィックマン
出演:ドウェイン“ザ・ロック”ジョンソン/アンナソフィア・ロブ/アレクサンダー・ルドウィグ/カーラ・グギーノ/キアラン・ハインズ/トム・エヴェレット・スコット/クリストファー・マークエット/ビリー・ブラウン/キム・リチャーズ/アイク・アイゼンマン/トム・ウッドラフ・Jr/ジョン・ダフ/ボブ・コーハー/ケヴィン・クリスティ/ボブ・クレンドニン/サム・ウォルフソン/ブライアン・フォーゲル/ロバート・トルティ/チーチ・マリン/ゲイリー・マーシャル
30点満点中17点=監3/話3/出4/芸4/技3
【彼らが地球へやって来た目的は?】
レーサーへの夢を諦め、ギャングの運転手からも足を洗い、いまはタクシー・ドライバーとしてラスベガスで退屈な日々を過ごす前科者ジャック・ブルーノ。ある日、彼はふたりのティーンエイジャー、セスとサラを乗せる。大金を持ったこの兄姉は、実は遠い星からやって来た宇宙人、地球の命運をにぎる存在。彼らを捕まえるべく、エイリアンの殺し屋サイフォンと政府の秘密組織がタクシーを追う。果たして兄妹が背負う秘密とは?
(2009年 アメリカ)
【軽で陽なファミリー向けサスペンス】
「日本は軍事力を放棄しちゃダメだよ。だって悪いエイリアンが侵攻してきたら、どうすんのさ」と、結構マジメに考えている。
その点、本作はさしずめ「愛国者法って、善良なエイリアンを拉致するために悪用されそうだよね」という、これまたマジメな心配から作られているような気がする。
序盤、ディズニーのトレードマーク~星空、TV画面~現場など異なる舞台をシームレスにつなぎ、緊迫のMIBたちと倦怠感たっぷりのブルーノの落差も見せつつ、一気にストーリーを進行させていく。秘密機関が兄姉を追跡する迅速さはCTUも真っ青である。
イロイロなことが明らかとなるのは後半になってから。観客はブルーノと同様「ナニがナンだかわかんないけれど、とりあえずこのコたちは守らなきゃな」という思いで逃避行に付き合うことになる。
そこに、ヒリヒリとした空気はない。スケールもない。目を見張るアクションもない。どちらかというと“軽”で“陽”。ただ、手堅さとリズム、スピード感とわかりやすさはある。
主要スタッフが過去に手がけた作品を見ても、やっぱり深みのない軽くて陽気な映画ばかり。そのまんまの、ノリのよさで押していく。ファン・ミーティングの奇妙な浮かれやUFOらしいUFOを作り出した美術も楽しい。
ロック様は、肉弾戦的見せ場は少ないし、味のある役どころでもないけれど、スラングっぽいセリフで“ロック様っぽさ”はキープ。ただのマッチョよりもこういう市井のヒーローがしっくりくるし、博士から「attitude」という単語を使って「ムカツク」と罵られるのは、WWF時代からのファンへのサービスだろう。そこも嬉しい。
アンナソフィアはずいぶんとお姉さんになってきたものの、相変わらず可愛くって、やっぱり嬉しい。
ま、奥行きも工夫も映画的なワクワクもなく、決して上出来ではない。でもファミリーで安心して観られる仕上がりにはなっているし、スタートからエンディングまで破綻なくカチっとまとめてある(あくまでお子様向けのアクションとして、というレベルだが)。
そもそも、ロック様とアンナソフィアが揃って原作が『未来少年コナン』のアレグサンダー・ケイとなれば、けなすわけにはいかないんである。
●主なスタッフ
脚本は『ベッドタイム・ストーリー』のマット・ロペスと『ダイ・ハード4.0』のマーク・ボンバック。
撮影は『ハービー/機械じかけのキューピッド』のグレッグ・ガーディナー、美術は『アポロ13』のデヴィッド・J・ボンバ。
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