SAW ソウ ザ・ファイナル
監督:ケヴィン・グルタート
出演:トビン・ベル/コスタス・マンディロア/ベッツィ・ラッセル/ケイリー・エルウィズ/ショーン・パトリック・フラナリー/チャド・ドネッラ/ジーナ・ホールデン/ローレンス・アンソニー/ディーン・アームストロング/ナオミ・スニッカス/レベッカ・マーシャル/ジェームズ・ヴァン・パタン
30点満点中15点=監2/話3/出3/芸4/技3
【殺戮の連鎖は終わるのか?】
命を大切にしない者たちを多彩なトラップにかけ続けてきた殺人鬼ジグソウ。彼の死後、その妻ジルはジグソウの後継者であるホフマンを葬ろうとするも失敗、警察に保護を求める。ホフマンの行方を追うギブソン刑事だったが、その間にも殺人ゲームは続いていた。今回のターゲットは、ジグソウのトラップから生還したことで一躍有名となり、しかし大いなる秘密を抱えている男、ボビー。果たして死のゲームは、終焉を迎えるのか?
(2010年 アメリカ/カナダ)
【安っぽくて下手】
ふぅ。とうとう7作目まで観ちゃったよ。1stから6年以上も経っているのか。我ながらよくもまぁ「作られるごとにクォリティが落ちていく」というトンデモ・シリーズに付き合ったもんだ。
今回は復讐と保身のための殺人に終始、ジグソウの遺志なんてどこかへ吹っ飛んで「もはや『ソウ』じゃないじゃん」という気配は強いし、相変わらずリアリティには乏しい。けれど、1stとの関連性を打ち出したことは誠実かつ正解であり、本作単独としてもシリーズとしても、一応のまとまり・決着は果たしているように思う。
衆人環視の中のトラップ、殺人ゲームから生還した男の秘密といった新要素にも感心させられるし、「もうピタゴラスイッチもネタ切れだから、別の方向でスリルを演出しよう」と開き直ったのか、これまでよりグロを前面に押し出したのも潔い。そのプランニングに特殊メイクなどがよく応えているとも思う。
ただ、全体としての作りはお粗末。
ベタっとした画面にTVサイズの絵づくり。人物の位置関係がわかりづらかったり各カットにダイナミックさがまったくなかったり、「なんとなく撮りました」という仕上がり。3Dも、終盤の2カットくらいしか意味がないんじゃないか。
時間経過の処理も乱暴、役者も輝かず「いかにジグソウ=トビン・ベルが特異だったか」を思い知らされるだけ。
まぁいくつかハラハラさせられる場面はあるし、短いだけあってテンポはいいものの、トータルでいえば見どころが少なくって安っぽくて下手な映画になってしまっている。
収穫があるとすれば「やっと終わった」という安心感くらいか。念のためにIMDbで確認したところ、いまのところ次回作の予定はないみたい。
ま、まかり間違って次が作られるとしても、もう観ないけど。
●主なスタッフ
監督をはじめ、スタッフはほとんど前作から引き続いての仕事。
脚本は『The FEAST/ザ・フィースト』のパトリック・メルトンとマーカス・ダンスタン、撮影はこのシリーズ過去作でカメラ・オペレーターやセカンドユニットの撮影監督を務めたブライアン・ゲッジ、編集はアンドリュー・クーツ、プロダクションデザインはトニー・イアーニ。
衣装は『スプライス』などのアレックス・カヴァナー、音楽は『バイオハザード III』のチャーリー・クロウザー、サウンドはシリーズ過去作にも携わっているマーク・ジングラスとジョン・ダグラス・スミス。
メイクは『インクレディブル・ハルク』などのコリン・ペンマン、SFXは『キルショット』のロブ・サンダーソン、VFXはジョン・キャンプフェンズ、スタントは『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』のシェリー・クック。
| 固定リンク
« SAW 6 | トップページ | パイレーツ・ロック »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント