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2012/02/18

ドラゴンハート

監督:ロブ・コーエン
出演:デニス・クエイド/デヴィッド・シューリス/ピート・ポスルスウェイト/ディナ・メイヤー/ジェイソン・アイザックス/ブライアン・トンプソン/リー・オークス/ウルフ・クリスチャン/テリー・オニール/ミラン・バフル/ピーター・フリック/サンドラ・コバチコワ/ジュリー・クリスティ/ショーン・コネリー(声の出演)

30点満点中20点=監4/話4/出4/芸4/技4

【騎士とドラゴンの物語】
 984年のヨーロッパ。残虐な王フレインは農民の蜂起によって倒され、王子アイノンも重傷を負う。「善良な王になる」という誓いを立て、ドラゴンから心臓の半分を授かって生き延びたアイノン。しかし彼もまた圧政で民を苦しめ始め、アイノンの剣の師である騎士ボーエンは元凶であるドラゴン狩りに奔走する。だが最後の一匹となったドラゴンとの間に友情を育んだボーエンは、騎士の誓いに従ってアイノンを討つことを決意するのだった。
(1996年 アメリカ)

【良質なエンターテインメント】
 何度も観ているお気に入りの1本。楽しさや驚きや情感に満ちた作品だ。

 まずはドラゴンの存在感が素晴らしい。フォルム、肌のディテール、動きの滑らかさなどは実に極上。とりわけ水中を泳ぐドラゴンを上空から捉えたシーンの“らしさ”が感動モノだ。
 もちろん、このドレイコに重厚さとユーモアをバランスよく与えたショーン・コネリーの声も称えたい。

 そのドラゴンと絡むボーエン役デニス・クエイドもまた、騎士としての生真面目さと軽さをミックスさせ、ヘンに頑張りすぎないで好演。アイノンのデヴィッド・シューリスは「なぁんか生理的にもう悪いヤツ、たいして強そうじゃないところがさらにイヤ」という雰囲気がいい。
 これらキャラクターたちが、“ラストワン”として心を通い合わせるボーエンとドレイコの関係、あらかじめ示されるアイノンの性格など、必要な事項をコンパクトにまとめたストーリーの中で輝く。

 ドラゴンが飛び、槍を撃ち、剣を振るい、弓を射ったり斧を振り回したり小道具を用いたり馬が走ったりとアクションは意外と多彩。そうしたスピード感あふれるシーンと、ボーエンやドレイコたちの交流をテンポよく描いていて、流れるようにラストまで観せ切る
 盛り上げかた、息の入れかたが上手くて、たとえば太陽をバックにボーエンが剣を掲げ、ドレイコが雄々しく飛ぶ姿をシルエットでうつした場面は、荘厳なBGMともあいまって鳥肌モノだ。

 ロケ地はイングランドのほかスロヴァキアもメインとなっているようで、その“中世っぽさ”、城や貧しい村の再現などが上質。音作りや、とにかく炎の使いかたが思い切っていて豪華な特殊効果など、各スタッフの仕事も見事だ。

 背景との馴染みかたに薄さがあるなどCG技術はまだ過渡期のものだし、撮影にもスケール感やダイナミックさが欲しかったところ。いつの間にかドラゴンが最後の一匹になっていたり、アイノンの暴虐さ、妃の苦悩、騎士としての限界や使命に立ち向かうボーエンの姿なども描写不足。観やすさ=コミカルな空気を大切にした結果、ちょっと浅くなり、格としては“準A級”にとどまっているかも知れない。

 けれど、予想外の展開と「待ってました」的な流れが途切れず、寓意も盛り込んであって、最初から最後まで楽しく観ることができる、良質なエンターテインメントになっていると思う。

●主なスタッフ
 撮影監督は『レーシング・ストライプス』のデヴィッド・エグビー、編集は『ヘルボーイ』『シューテム・アップ』のピーター・アマンドソン。
 プロダクションデザインは『マイ・ボディガード』のベンジャミン・フェルナンデス、衣装は『デューン』のトーマス・キャスターラインと『オリバー・ツイスト』のアンナ・シェパード。
 音楽は『エドtv』『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』のランディ・エデルマン、サウンド・エディターは『マジェスティック』などのリチャード・L・アンダーソン。
 SFXは『ボーン・スプレマシー』『エンバー 失われた光の物語』などのキット・ウエスト、VFXは『ヴァン・ヘルシング』のスコット・スケアーズ、ドラゴンのデザインは『スター・ウォーズ』シリーズのフィル・ティペットなど、ILMの人々。スタントは『ウルフマン』のポール・ウェストン。

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