THE 4TH KIND フォース・カインド
監督:オラントゥンデ・オスサンミ
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ/ウィル・パットン/ハキーム・ケイ=カジーム/シャーロット・ミルチャード/コーリイ・ジョンソン/エンゾ・シレンティ/エリック・ローレン/ミア・マッケンナ=ブルース/ラファエル・コールマン/ダフネ・アレキサンダー/アリーシャ・シートン/ティネ・ラファエリ/イライアス・コティーズ
30点満点中16点=監4/話2/出3/芸3/技4
【その町では、何かが起こっている】
アラスカ州ノーム。夫ウィルを何者かに殺された心理学者アビゲイル・タイラーは、ウィルが続けていた研究を引き継ぐ。この町では謎の失踪が相次ぎ、何人もの人間が「真夜中に目が覚め、フクロウを見る」という現象に悩まされていたのだ。催眠療法によって真相究明を試みるアビゲイル。だが被験者が自殺を図り、あるいは重傷を負ったことで、保安官オーガストはアビゲイルに疑いの目を向ける。やがて異変は彼女の身にも起こって……。
(2009年 アメリカ/イギリス)
【なんとかカタチにしました】
実在の学者アビゲイル・タイラーが撮影した記録映像や彼女へのインタビューと、アビゲイルをミラ・ジョヴォヴィッチが演じる再現映画とをミックスした、という体裁。ご丁寧に、そういう構成なんですよとミラ自身が冒頭に説明してくれる。
ただ、記録映像やインタビューの雰囲気はすぐに作り物だとわかるため、フェイク・ドキュメンタリー的な気配が強い仕上がり。
簡単に作り物だとバレたくない、という意識が製作サイドにあったとしたらその狙いは失敗している。が、ノイズだらけの映像で何がナニやらわからない記録VTRは、安上がりなミステリー演出として評価したいところ。
また、再現映画部分のシャープでダークでクールな画質は作品の雰囲気に合致しているし、2つの異なる出来事をシームレスにつないだり、短くテンポよくカットを畳み掛けたり、『24』ばりの分割画面で見せたりなど、映像的なスタイリッシュさは、まずまず(撮影ロレンツォ・セナトーレ、編集ポール・J・カヴィントンともC級作品しか手がけていない人なのに)。
証人を少しずつ増やしていく展開とか、移動(セスナやクルマや空撮)と対話とを交互に描いて独特のリズムを作り出したりとか、1本のまとめかたとしても悪くない。
もっとも、ネタとしては“いまさら”感が強いし、お話としての真新しさもなく、ショッキングでもない。それを「こんな風に作ってみようか」というアイディアで、なんとか形にしてしまった映画、といったところか。
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