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2012/03/14

トワイライト~初恋~

監督:キャサリン・ハードウィック
出演:クリステン・スチュワート/ロバート・パティンソン/ビリー・バーク/サラ・クラーク/ピーター・ファシネリ/エリザベス・リーサー/ニッキー・リード/ケラン・ラッツ/アシュリー・グリーン/ジャクソン・ラスボーン/キャム・ギガンデット/レイチェル・レフィブレ/エディ・ガテギ/ジル・バーミンガム/テイラー・ロートナー/アナ・ケンドリック/クリスチャン・セラトス/マイケル・ウェルチ/ジャスティン・チョン/ホセ・ズニーガ/アヤンナ・バークシャイア/キャサリン・グリム

30点満点中17点=監3/話3/出4/芸3/技4

【ヴァンパイアとの禁断の愛】
 母と離れ、警察署長の父チャーリーと暮らすことになったベラ。アメリカ北西部・ワシントン州フォークスにある小さな町は、森と海に囲まれ、年じゅう雨の降る濡れた土地だった。気のいいクラスメイトたちに心を開かないベラは、医師カレンの養子という5人に興味を抱く。彼らの正体は、血と肉を喰らい、永遠の命を持つヴァンパイア。そのひとりエドワードとベラが急接近する中、町では次々に人が襲われるという事件が起こる。
(2008年 アメリカ)

【萌え映画の序章】
 ベラ視線で日常を描いて感情移入を誘いながら、事件を適時挟んで物語を進めていくというストーリー・テリングが、まずまず上質
 画面はグレイが基調で“明るさ”は、ほぼ皆無。フラッシュバックや特殊効果、表情のアップなどが短かめに重ねられる。音楽は、サスペンス&アクション場面ではギター中心のプラグド、情緒的なシーンではピアノがメインのアコースティック。
 そうやって、町の冷たさ、ベラの孤独、スリル、寄り添いあう心などを手堅く表出させていく。

 そして、萌え要素満載
 まずはキャラクター配置。主人公のふたり、順当に美しくなっているクリステン・スチュワートとロバート・“セドリック”・パティンソン(この手の映画の王子様役としては、日本人の価値観だともっと細身で金髪サラサラじゃなきゃ不満なんだが)、あとは今後のキーとなるであろうヴィクトリア役のレイチェル・レフィブレがストレートな美形。この3人は顔の作りがやや無機質で汗臭さがなく、映画の世界観にマッチしたキャスティングであるとともに「穢れのなさ」に対する萌えも呼びそうだ。

 その周囲には、インテリ風のオジサマにショートカット(アシュリー・グリーンのアリスが可愛い)にメガネ。さらにはアジア系、ネイティヴ・アメリカン、レゲエ風と、まぁよりどりみどり。多彩な人種が住む地方という事情や設定上の必要もあって登場しているのだろうが、恐らくマイノリティっていうのも米国人にとっては萌え要素、確信を持って散らしてあるだろ。

 これら若い役者たちが、意外と好演。「悪い連中ではないんだけれど」的な子どもっぽいクラスメイトたち、その中で居心地の悪さを抱えるベラ、そんなベラが惹かれる謎めいた一団、という空気と流れが上手に作り出されている。特に中盤以降、フツーの(あるいはおバカな)高校生よりカレン家の人々のほうがますます魅力的に感じられるようになるのがいい。

 で、そもそもヴァンパイアっていうのが、大きな萌え要素。あまりマンガを読まない妻の本棚にも『ポーの一族』があるくらいだし。「私(ふたり)だけの秘密」ってのも女子なら絶対に憧れるシチュエーションだろう。

 試しに「トワイライト~初恋~ 同人」でググってみたら、この映画に関して「さんざん読んだ設定」とか「まんま」なんて評が出てきて笑える。
 ベラが伝説についてネットで調べるくだりでは、どうやら日本にも冷人族はいる(いた)らしい。作ってる側も「日本にありそうだよね」「日本人ってこういうの好きだよね」という意識を抱いていると思われ。

 ちなみにIMDbのvoteでは10点満点で5.7点(2010年7月の時点)。投票の内訳は10点が19.7%ともっとも多く、次いで1点が15.6%。どうやら1点には大量投票があったらしく、そうした「原作を穢さないで!」とか「こんなのに熱中しているヤツらはキモい!」的心理も萌え作品特有のものだろう(第3位が7点の13.4%で、これが普通の映画ファンの評価だと思う)。

 原作、脚本、監督、すべて女性。そのプロダクション姿勢は、作品の内容を考えれば正解だったはずだが、上記の点数のバラつきや男性票より女性票の平均が断然高いという事実が物語るように、1本の映画として決してブラボーじゃないことは確か。

 まずはワイヤーと合成を多用したアクションが、ちょっと安っぽい。思い切った描写や映像的・演出的な独自の工夫が少なく、意外とオーソドックスな作りとなっていて、そのぶん普通の青春映画・デートムービーに寄り過ぎている気配、つまりは神秘性が足りない。
 それに、この手の映画では何度もいっているけれど、もっと“切なさ”がないとダメだろう。少なくとも「片方だけが歳を取る」という設定は生かされるべき(カレン医師の奥さんはもう死んじゃってるとか)。エドワードがベラの心だけ読めない理由もスルーされている。なんか祖先が原因? 樹なつみ的ニオイを感じるなぁ。

 ただ、4部作ということなので、そのへんはおいおい処理されていくことになるのだろう。『インタビュー・ウィズ・バンパイア』よりは『ポーの一族』的というか、日本の少女マンガが守り続ける遺伝子の正統な後継という雰囲気も強いし、将来有望なYA演技陣もドバドバ出ているし(今後は妹弟キャラとか双子とか、主人公以上に美形な悪役とかが登場すると嬉しい)。
 なるほど期待したくなるニオイはある第一作である。

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