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2012/05/24

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

監督:松山博昭
出演:戸田恵梨香/松田翔太/鈴木浩介/田辺誠一/荒川良々/濱田マリ/和田聰宏/関めぐみ/秋本祐希/永山絢斗/松村雄基/鈴木一真/吉瀬美智子/渡辺いっけい/喜山茂雄(声の出演)

30点満点中16点=監3/話3/出3/芸4/技3

【バカ正直vs裏切り者 最後のゲーム】
 他人を騙し、相手を欺き、誰かを陥れる。勝てば大金が手に入り、負ければ多額の借金を背負うことになる。それがライアーゲーム。天才詐欺師・秋山とともに激闘を勝ち抜き、このゲームから抜け出したはずの神崎直だったが、ファイナルステージへ進んだ秋山を助けるため、ふたたび騙しあいの渦中へ身を投じる。“信じる心”こそがライアーゲーム必勝法だと説く神崎を待ち受けていたのは、正体不明の裏切り者と意外な展開だった。
(2009年 日本)

【最終話として、まぁこんなもん】
 映画としてどうかを語る作品ではあるまい。実際、TVスペシャルをちょっと豪華にしただけのような作り。
 台湾ロケ(舞台となる無人島。これはなかなかのロケーション)を敢行したり美術に気合いが入っていたりはするけれど、全体にセット臭く、画質もベタっとビデオ風味で映画的なスケール感には乏しい。
 説明に説明を重ねないとわからない題材・展開であるうえに流れが不自然な部分もあって、1時間ドラマ3~4本分を再構成したんじゃないの、という空気も感じる。

 ま、そのへんはハナっからわかっていたこと。そもそも「面白い映画を観よう」と思って鑑賞するものじゃなく、あくまでTVシリーズのファン向けに用意された商品というか、スペシャル・コンテンツ。
 だから「映画かどうか」より「『ライアーゲーム』かどうか」が大切だといえるだろう。

 その点については、及第点。
 サイケデリックな美術と衣装と照明、気忙しいVEとSEにジョコジョコと雰囲気を盛り上げるサントラは、完璧に『ライアーゲーム』。まだるっこしくて抜け穴だらけのゲーム・ルール、それを利用した仕掛けと先が気になるストーリー、ちょっぴりの意外性も、やっぱり『ライアーゲーム』。

 キャストも、棒読み松田翔太の堅苦しさ、鈴木浩介のキノコ節が相変わらず楽しい。思えばTVシリーズから一貫してゲーム参加者には“タレント”ではなく“役者”が起用されており(例外もあったけれど)、それは今回も踏襲されていて『ライアーゲーム』っぽさを維持している。
 そして「人を信じる心」という本作の大テーマも押し通して。

 もちろん不満も多い。
 戸田恵梨香はもうちょっと可愛く撮れたはず。ファイナルという割に裏切り者Xがそれほど手ごわくない。ゲームの裏に潜んでいた秘密にも強い肩透かし感を覚える。
 が、『ライアーゲーム』最終話ということなら、まぁこんなところじゃないでしょうか、それ以上でもそれ以下でもないよね、と、最初から過度な期待をしていなかったぶん気楽に観られる1本である。

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