そんな彼なら捨てちゃえば?
監督:ケン・クワピス
出演:ベン・アフレック/ジェニファー・アニストン/ドリュー・バリモア/ジェニファー・コネリー/ケヴィン・コナリー/ブラッドリー・クーパー/ジニファー・グッドウィン/スカーレット・ヨハンソン/ジャスティン・ロング/クリス・クリストファーソン/ビジー・フィリップス/ブルック・ブルーム/ヘディ・バーレス/サシャ・アレクサンダー/ロッド・ケラー/ウィルソン・クルーズ/ルイス・ガスマン
30点満点中18点=監3/話4/出4/芸4/技3
【恋する女たち男たち】
何年も同棲しながらベスとは結婚する気のないニール。彼の友人ベンにはジャニーンという妻がいるけれど、ヨガ講師のアンナと恋に落ちる。そのアンナに夢中なのは不動産業者のコナー。コナーからの電話を待つのは、すぐに勘違いして男を好きになってしまうジジ。ジジにあれこれとアドバイスしてくれるのはバーテンダーのアレックス。アンナの友人メアリーも、なかなか恋をつかめないでいる。複雑に絡み合う男と女の明日は?
(2009年 アメリカ/ドイツ/オランダ)
【恋愛指南書】
ある意味、どぉーってことのない、中身の薄い映画。それが逆に「男と女の仲なんて、結局のところ、どぉーってことのないもの」という雰囲気を醸し出すことになっている。WOWWOWで観たけれど、むしろ地上波・吹き替え向きかも知れない。
舞台はほとんど室内、あるいは夜、しかもアンダー気味(撮影は『10日間で男を上手にフル方法』のジョン・ベイリー)。だから、あまりスカっとした印象は与えない。
トレンディ・ドラマとは違って、それほどカッコいい部屋に住んでいる者はいない。上等な衣装を着ている者もいない。でも、それぞれのキャラクターに合った等身大のライフ・スタイル(プロダクション・デザインは『ザ・ウォーカー』のゲイ・S・バックリー、衣装は『2012』のシェイ・カンリフ)。
つまりは、恋なんてそんなもの。背伸びも誤魔化しもなく、ちょっとした後ろめたさとともに、人知れず育まれるものなのだ。
小さなラッキーから勘違いが始まり、勘違いから恋が始まる。着信履歴やメールが恋にもたらす悪影響を跳ね除けて、やっとこ手に入れた運命の出会い。その後ガムシャラに突き進むのも臆病になるのも、どちらも恋の病。暴走することもあれば躓くこともあるだろう。ヤバイと思った途端に詭弁を弄する相手から気持ちを逆なでされることだって、嘘と不実の積み重ねが恋を終わらせる可能性だって、ある。
そして、恋に関するアドバイスにロクなものはない。
そんな“恋の真実”を、テンポよく、観やすく描いていく。いわゆる恋愛指南書を『25年目のキス』のアビー・コーン&マーク・シルヴァースタインがストーリー映画として再構成したものらしく、なるほど、盛り込まれたイロイロは確かに「あるある」。そういう軽めのラブコメディだ。
女性がみんな可愛すぎるのは現実味に乏しいが、うんうんふむふむと楽しめるガールズ・ムービーまたはデート・ムービーとしては、まずまずの仕上がりなんじゃないだろうか。
自分としては、とりあえずベン(ブラッドリー・クーパー)にならないよう気をつけながら、目指すはニール(ベン・アフレック)から、4人の娘を育て上げたパパ・ケン(クリス・クリストファーソン)のラインか。
でもまぁコナー(ケヴィン・コナリー)になる可能性がかなり高く、せいぜいアレックス(ジャスティン・ロング)で御の字だろう。
アンナ(スカーレット・ヨハンソン)やジャニーン(ジェニファー・コネリー)のようなタイプは手に負えない。ベス(ジェニファー・アニストン)との堅実でハッピーな人生は1つの理想だけれど、ジジ(ジニファー・グッドウィン)との“はしゃぎ”とかメアリー(ドリュー・バリモア)との浮かれたコツコツを楽しむ若さも持っていたいものだ(女性のhappy dog faceって好きだし)。
鑑賞後、自分自身のパートナーとそんなことを話しつつ、ふたりの現在と未来を軽ぅく考えながら食事をする。そのためのアイテム的な映画ともいえるだろう。
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