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2012/09/03

ボーダー

監督:ジョン・アヴネット
出演:ロバート・デ・ニーロ/アル・パチーノ/カーティス・ジャクソン/カーラ・グギーノ/ジョン・レグイザモ/ドニー・ウォールバーグ/ブライアン・デネヒー/トリルビー・グローヴァー/メリッサ・レオ/アラン・ブルーメンフェルド/オレグ・タクタロフ/フランク・ジョン・ヒューズ

30点満点中17点=監4/話3/出4/芸3/技3

【連続殺人事件の真犯人は?】
 野球好きで正義感の強いタークと、チェスが趣味のルースターは、ともにNYのベテラン刑事。ふたりは長年の相棒で、たがいに信頼しあい、法から逃れた殺人犯をニセの証拠で“ハメた”こともあった。裁きを免れた犯罪者が次々と殺される事件が発生、警察官犯人説が浮かび上がり、タークとルースターも捜査にあたることとなる。そんな中、タークはビデオカメラの前で「14人殺した」と街の“掃除”について述懐するのだった。
(2009年 アメリカ)

【陣容でランクを引き上げた】
 重苦しくスリリングなBGMが鳴り続ける。陰影たっぷりの画面は、あるときは待ち構え、あるときは人を追い、スローに落としたり飛ばしたりカットを細かく切り替えたりと変幻自在、先の知れない展開を予感させる。実にオモワセブリックな空気。
 とはいえ見づらさや気忙しさはなく、芝居を見せたいときにはグっと寄るなど手堅く必要なものをうつし、テンポも軽快。刑事モノ+サスペンスとして、いい雰囲気とバランスで進んでいく。

 その中でドッシリと演技するのはデ・ニーロとパチーノ。『ヒート』(マイケル・マン監督)以来となる顔合わせだ。
 なんかもう、このあたりの役は特に力を入れることなく、身体に染み付いたキャリアで自然と演っているという感じ。キャラクター的にも、野球好きで生真面目ながら短気なデ・ニーロ、チェスの達人で聞き役&止め役に徹するパチーノと描き分け、ふたりを立てる展開にもなっている。
 で、「いい役者にはまわりが引っ張られる」の法則通り、ジョン・レグイザモとドニー・ウォールバーグはカリカリした刑事役を気張らずまっとう、ジェシカ役のトリルビー・グローヴァーの美形ぶりも上等だ。ブライアン・デネヒーの歳の取り具合も、また趣あり。

 ただ「意外な(といっても読めちゃうんだけれど)真相系サスペンス」としてはありがちな内容で、この監督と役者=豪華布陣で作るほどの映画じゃないだろう、というのが正直な実感。若い監督と役者が、もう少しスタイリッシュかつシャープな作りで見せる小品というのが本来あるべき姿なんじゃないだろうか。
 まぁ見かたを変えれば、そのレベルの内容を豪華布陣の職人技で1ランク上に引き上げて、犯罪社会への“間違った歪みを持つ苛立ち”も匂わせることに成功した作品といえなくもないのだが。

●主なスタッフ
 脚本は『インサイド・マン』のラッセル・ジェウィルス。撮影は監督の前作『88ミニッツ』と同じデニス・レノア、編集は『Ray/レイ』のポール・ハーシュ。音楽は『パッセンジャーズ』『スケルトン・キー』『すべてはその朝始まった』とサスペンスもので本領を発揮するエド・シェアマー。

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