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2012/10/13

レギオン

監督:スコット・スチュワート
出演:ポール・ベタニー/ルーカス・ブラック/タイリース・ギブソン/エイドリアンヌ・パリッキ/チャールズ・S・ダットン/ジョン・テニー/ケヴィン・デュランド/ウィラ・ホランド/ケイト・ウォルシュ/ジャネット・ミラー/キャメロン・ハーロウ/ダグ・ジョーンズ/デニス・クエイド

30点満点中16点=監3/話2/出3/芸4/技4

【神の怒り、天使の希望】
 人間に天罰をくだすと決めた神。だが天使ミカエルはその命令に背き、地上へと降り立つ。大量の銃器を確保した後、ミカエルは荒野へ向かった。その頃、荒地を走る一本道沿いのレストランでは、ボブと息子のジープ、妊婦チャーリー、コックのパーシー、クルマが故障してしまったアンダーソン一家、道に迷ったカイルらが、異変に直面していた。神の軍勢に取り囲まれようとする彼らのもとへ、唯一の救いを知るミカエルが駆けつける。
(2010年 アメリカ)

【尖った部分に欠ける】
 監督のスコット・スチュワートは『シン・シティ』『アイアンマン』などのVFXに携わった人物で、本作が初の長編。その他のスタッフにも先鋭的な作品に関わった人が多いみたいだ。
 でも、本作はフツーというか、そこそこの仕上がり。

 神と人間の戦いに銃や剣や格闘やギミックを持ち込む。その思いつき自体が別に珍しいものではないし、荒野のレストランというミニマムなスペースで繰り広げられるホラー・アドベンチャー(セカイ系の要素もあり)=小さくまとめる方向性も、まぁ低予算としてありがちだし、限定された想像力の産物。書店のコミック・コーナーにゴロゴロ転がっている設定といっていいくらいだ。

 問題はそれをどう広げ、どう描くか。
 才能があれば『コンスタンティン』とか『ザ・フィースト』『アンデッド』になるんだろうけれど、残念ながら本作はその域に達していない。
 上から、寄る、引く、後ろから、待ち受ける……と多彩な絵作りをし、陰影を大胆に使って雰囲気を出すなど撮影は頑張っている。衣装とか音楽も作品のイメージにあっているし、VFXやSFXも及第点以上だろう。
 が、それらをまとめて「面白味を作り出す」ところまで行っていない。ツマラナイとまではいわないが、尖った部分がなく、妙に小ぢんまりとまとまりすぎちゃったような印象。
 どこがどう、とはいえないが、とにかくワクワク感が足りないのだ。

 お話も、救世主に関する説明は端折ったままでもいい(こんなもん、下手に説明しようとすると安っぽくなるだけ)んだけれど、ボブとジープ、ジープとチャーリー、ミカエルとガブリエルの関係はもっと掘り下げてやらないと、それこそ底の浅い安っぽいストーリーで落ち着いてしまう。

 アイディアや技術をひとつの映画としてまとめることにおいて、尖りや狂気や観客の先を行く先進性に欠けた作品、といったところだろうか。

●主なスタッフ
 撮影は『奥さまは魔女』などのジョン・リンドレー。美術は『ドニー・ダーコ』のジェフ・ヒギンボーサムや『フォーン・ブース』のオースティン・ゴーグ。メイクは『マジェスティック』のアート・アンソニー。
 衣装は『サイレントヒル』『アンダーワールド』のウェンディ・パートリッジ。音楽は『ホワイトアウト』『リーピング』などのジョン・フリッゼル。サウンドチームは『スパイダーマン』シリーズのマーティン・ロペスや『インクレディブル・ハルク』のリクレイ・W・ダム。
 VFXは『ザスーラ』のジョー・バウアー、SFXは『ステルス』『イーグル・アイ』のトミー・フレイジャー。

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