アーサーと魔王マルタザールの逆襲
監督:リュック・ベッソン
出演:フレディ・ハイモア/ロバート・スタントン/ペニー・バルフォー/ロン・クロフォード/ジャン・ビヨーテ・ンジャンバ/ミア・ファロー
声の出演:セレナ・ゴメス/ステイシー・ファーガソン/ジミー・ファロン/ウィル・アイ・アム/スヌープ・ドッグ/デイヴィッド・ガスマン/ルー・リード
30点満点中15点=監4/話1/出3/芸4/技3
【ミニモイの国にふたたびの危機迫る!?】
夏休みの間、お爺ちゃんの家で過ごしたアーサー。自然界と“同化”する修行も終え、いよいよ今夜は10回目の満月、望遠鏡を潜って、庭に築かれたミニモイたちの国をふたたび訪れる日。セレニア王女との再会も間近だ。ところがパパは急に発つといい出し、ミニモイの国からは「助けて」と刻まれた米粒が届く。パパとママを何とか振り切ったアーサーだったが、今回の旅もトラブルの連続。そのうえ恐るべき陰謀も隠されていて……。
(2009年 フランス)
【ウムムな第二章】
これはちょっとヒドイんじゃないか。まぁ「三部作の第二章」ということを知らずに観たこっちも悪いのかもだけれど、むしろ「続編の前編」といったほうがいいような構成。まとめかたのバランスが悪い。
まずは前置きが長すぎ。どうやら第三章はライブアクションの比率がかなり上がるようで、そこへ向けての準備なのか、この第二章からCGパートを少なくしているような感じ。が、もう少しテンポよく序盤を進めて、早々に観客をミニモイの国へ連れて行って欲しかったところ。だって、それを期待されている映画なんだし。
やっとこミニモイの国へ突入した後の中盤からは、まぁまぁアクションは増えるものの、そのバリエーションは多くない。セレニアやマルタザールは出てきたと思ったら見せ場なんかほとんどなく終幕だし、同じようなことを何度も説明したりして、間が悪い。
前作は「駆け足のお話」だったけれど、今回は真逆、なかなかストーリーが進まない印象だ。
CGパートもクォリティが落ちたんじゃないか。特にオープニングは、なんとなくカクカクしていて、いかにも「コンピュータの中で作りました」というイメージ。
評価できるとしたら、前作との作りの共通性か(当たり前だけれど)。
たとえば「美術関連の仕事は上質」とか「立体的にカメラも動いて、奥行き、広がり、高低を表現」、あるいは「CGパートとの“つながり”をキープすべく、実写部分の色合いにも気を遣っている」といった、前作でも感心した各点は、今回も生きている。「出来事に合わせて響くBGM」という楽しさも前作同様だ。
また前作では『スター・ウォーズ』や『サタデー・ナイト・フィーバー』をパロっていたが、今回は『地獄の黙示録』があったり「ショウほど素敵な商売はない」というセリフがあったり、そのへんも面白さのひとつ。
が、これ1本ではとうてい映画として成立していないのが、やっぱりキビシイ。1本分の予算と2時間分のストーリーなのに、無理やり1時間半×2本を作っちゃった感じ。
第三章を観る気は失せた。だって、そこで盛り返してくれるかどうか不安になるくらいのデキだったんだもの。
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