ザ・エッグ~ロマノフの秘宝を狙え~
監督:ミミ・レダー
出演:モーガン・フリーマン/アントニオ・バンデラス/ラダ・ミッチェル/レイド・セルベッジア/ロバート・フォスター/トム・ハーディ/コーリー・ジョンソン/ウラジミール・コレフ/コンスタンティン・グレゴリー/マルセル・ユーレス
30点満点中16点=監3/話3/出4/芸3/技3
【ふたりの宝石泥棒、難関に挑む】
NYを根城にするベテランの宝石泥棒キース・リプリーは、マイアミからやって来たガブリエル・マーティンを新たな仕事に誘う。狙いはロマノフ宝石店の奥、警戒厳重な金庫に眠る、宝石で装飾されたタマゴの置物。死んだ元相棒ビクトルの借金を返済するため、その美術品をマフィアのニッキーに渡さねばならないのだ。リプリーを追い続けるウィーバー警部補やビクトルの娘アレックスが絡んで、決死の潜入劇は思いもよらぬ展開を見せる。
(2009年 アメリカ/ドイツ)
【ダメな映画ではないけれど】
ミミ・レダー作品は『ピースメーカー』も『ディープ・インパクト』も観たし、『ペイ・フォワード』はDVDを持っているけれど、どれも「つまらなくはないが、何かが足りない」という印象。今回も同様だ。
カメラは常に動いてスケール感を作り出し、サントラがしきりに鳴り響いてスリルを煽り、軽快なリズムを生む。
序盤からクライマックス級のアクションシーンを持ってきて(ちょっとバカだけれど)、長々とした前置き抜きに話を進め、宿敵の刑事やFBIといった対抗要素を散らし、サービスシーンも盛り込みながら、下手な説明は省いて金庫破りの手順をスリリングに描き、金庫の認証に一度失敗したりアクシデントが起こったりとアクセントもつける。
全体にソツのない仕上がりだとは思う。
でも、もはやこの手の作品は「どうせ誰かが隠された顔を持っているんでしょ」と斜に構えて見られるのが宿命だし、もっともっと予想外の展開と、それを潜り抜ける気の利いた技と、それらを綺麗に結びつける伏線&回収とを期待してしまうもの。
そのあたりが決定的に足りない。なぁんか、いままで作られてきたものの寄せ集めで、そこから先へブチ進むセンス・オブ・ワンダーにも映画的コーフンにも欠けるのだ。
ダメダメではないけれど、無理に観る必要もなかった映画。
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