バウンティー・ハンター
監督:アンディ・テナント
出演:ジェニファー・アニストン/ジェラルド・バトラー/ドリアン・ミシック/ピーター・グリーン/ジェフ・ガーリン/シオバン・ファロン/ジョエル・ガーランド/リッチー・コスター/キャシー・モリアーティ/ジェイソン・サダイキス/アダム・ローズ/マット・マロイ/ジェイソン・コロトゥーロス/キャロル・ケイン/アダム・ルファーブル/クリスティーン・バランスキー
30点満点中16点=監3/話3/出4/芸3/技3
【元妻の捕獲成功。けれどそこから先はトラブル続き】
ギャンブル好きで借金まみれの賞金稼ぎマイロと、キャリアにしか興味のない新聞記者ニコール。ふたりは短い結婚生活を過ごしたことのある元夫婦だ。マイロは、交通事故の裁判に出廷しなかったニコールを捕まえて警察へ連行することになる。身勝手な元妻をイビレると大喜びのマイロ。仕事はごく簡単に終わるはずだった。が、借金取りがマイロを追い、取材中の事件に首を突っ込みすぎたせいでニコールにも危機が迫る。
(2010年 アメリカ)
【進むほどに不満が募る】
序盤は結構いいと思う。
ふたりが置かれた状況や事件に関わってくる人物たちを無理なく紹介しながら、流れを整理してテンポよくお話が進む。音楽の使いかたも軽快で、いかにもなクライム・コメディのノリ。
どうしてもジェニファー・アニストンはキャリア・ガールに見えないんだけれど、それを補ってジェラルド・バトラーのハジケぶりが楽しい。マッチョでガサツで「げはははは」と笑うバカ男がお似合い。録画を消去するなんてサイテーのイヤガラセだわ。
そうやって、これからどんどんトラブルとハプニングと痴話喧嘩が連続するんだろうなぁと、期待させる滑り出しだ。
が、いつまでたってもそれ以上に面白くなってくれない。それなりにあっちへこっちへ動き回ったり主演ふたりがぶつかったり打ち解けたり協力して事態にあたったりするんだけれど、見せ場といえるシーンは少ないし驚くような展開もない。各シーンもビミョーに長め。
周辺キャストも「テレビで観たことがあるような気がする」くらいの顔ぶれで、どことなく地味だし。
だいたい、タイトルと役者からアクション&サスペンスも期待しているのに、元夫婦の会話がメインでラブコメ風味が強すぎ。その要素はあっていいんだけれど、全体の配分が悪く、どういう方向の映画にしたかったのかベクトルがあやふや。ラストも「実はこれこれこうでした」だし。
せっかく「生きるというのは、間違いを犯すこと。そして死ぬときになって、間違いの正しさに気づく」なんて素敵なセリフもあるのになぁ。
ラジー賞候補になるほど酷くはないけれど、まぁ確かに期待を裏切られた感は残る作品。
●主なスタッフ
脚本は『ツイステッド』のサラ・ソープ。撮影は『扉をたたく人』のオリヴァー・ボーケルバーグ、衣装デザインは『イン・ハー・シューズ』などのソフィー・デラコフ・カーボネル。
サウンドデザインは『ジュリー&ジュリア』のロン・ボシャール、スタントは『レクイエム・フォー・ドリーム』などのピーター・ブコッシ、音楽コンサルタントは『バレンタインデー』などのジュリアン・ジョーダン。
プロダクションデザインのジェーン・マスキー、編集のトロイ・タカキ、音楽のジョージ・フェントンなど同監督の『最後の恋のはじめ方』と共通している人も多い。
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