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2013/05/06

ガフールの伝説

監督:ザック・スナイダー
アニメーション監督:エリック・レイトン
声の出演:ジム・スタージェス/ライアン・クワンテン/エミリー・バークレイ/アンソニー・ラパリア/デヴィッド・ウェンハム/アビー・コーニッシュ/ミリアム・マーゴリーズ/エイドリアンヌ・デファリア/バリー・オットー/ジョエル・エドガートン/ヒューゴ・ウィーヴィング/サム・ニール/ヘレン・ミレン/ジェフリー・ラッシュ

30点満点中18点=監3/話3/出4/芸4/技4

【フクロウの世界に危機が迫る】
 大海戦でガフールの勇者が勝利、世界には平和が訪れたはずだった……。やっと枝渡りができるようになったクラッドとソーレンは、メタルビーク率いる“純血団”に連れ去られ、勇者を倒すための計画に参加させられそうになる。戦士の道を歩み始めたクラッドに対し、ソーレンは小さなサボテンフクロウのディガーと何とか抜け出し、勇者たちが住むという神木のあるフールミア湖を目指す。間もなく、戦争が始まろうとしていた。
(2010年 アメリカ/オーストラリア アニメ)

【もう少し細かくジックリ進められれば】
 イヌ派かネコ派かと訊かれれば断然トリ派なので、こういう映画は嬉しくって楽しい。まぁフクロウを飼う度胸はないけれど。

 羽毛のふさふさ感、飛翔感、トリならではの豊かな表情を、ちゃんと再現していることに感心させられる。見た目で性別までわかってしまうというキャラクター・デザインも上質。
 ただ、クビがぐるんと回ったりしゅっと縮こまったりといった、フクロウだからこそのアクションももう少し見たかったとは思う。

 世界の作りかたも上手い。森林、洞窟、湖、雨中などロケーションは多彩で美しく、それをスケールのある音楽や音響効果で彩る。登場するキャラクターたちもユニークで、フクロウ世界へ無理なく誘ってくれる。
 ただ、純血団の棲む洞窟のオドロオドロしさと神木の神々しさとの対比はもっと明確にしてほしかったところ。各キャラクターの特性を生かしたエピソードやアクションもあればよかった。

 広角と望遠とを使い分けることで生まれるリズム、思い切ってキャラクターを画面からハミ出させるフレーミングが作り出す臨場感。実写的で情緒のある構図と、アニメ的でダイナミックなレイアウトとをバランスよく配分して、いわば3DCG的ともいえるカメラワーク/カットワークで、あるときは感情移入を促し、あるときはグイグイと引っ張っていく見せかたの上手さもある。
 ただ、アクションは全体としてスローに頼りすぎ。まぁ誰が観ても「これって絶対にザック・スナイダーだよね」とわかる作りなので、この監督の確立された個性といえば個性なんだけれど。

 お話にも味がある。
 勇気ある主人公、ヒロイン、コミカルだけれど頼りになる仲間、師匠、悪の総帥、裏切り者といったキャラクター配置や、伝説、悪だくみ、長くて厳しい旅路、戦闘、兄弟の哀しい対立など道具立てと展開は、ファンタジーとして定型であり、ワクワクする要素は少ない。が、そのぶん安心感と安定感があり、パッケージングとしてはマズマズ上手い。
 いちばんのお気に入りは、子フクロウたちを操って謎の作業をさせている純血団を、ソーランが「こいつら何かすごく悪いことをしている」というところ。「○○する気なんだ」といった細かな説明は省き、もう誰が見たってコイツら悪者でしょ、という思いをストレートに言葉にするところが、新しくってリアルで問答無用の勧善懲悪っぽくって、実にいい。
 ただ、洞窟での作業、戦士としてのクラッドの成長、フールミアを目指して続けられる旅、ソーレンたちの訓練と、本来ならそれなりの時間と密度をもって描かなければならない部分をアッサリとすませてあって、それが浅さにつながっている気配もある。

 つまり、いい部分も多いのだけれど、あるいはいい部分が多いだけに、細かなところで配慮の不足が目立ってしまう仕上がり。
 もう20分長ければ、もっといい映画になったような気がする。

●主なスタッフ
 アニメーション監督は『コララインとボタンの魔女』のリード・アニメーターで『キング・コング』のアニメーション・ディレクターを務めたエリック・レイトン。
 脚本は『ダイアナの選択』のエミール・スターンと『マイティ・ハート/愛と絆』のジョン・オーロフ。
 撮影監督は不在だがsupervising layout leadとして『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のギャビン・ボイルがクレジットされている。編集は『ハッピーフィート』のデヴィッド・バロウズ。
 プロダクションデザインは『マトリックス』でコードをデザインしたサイモン・ホワイトリー、アートディレクターは『300』のグラント・フレックルトン。
 音楽は『スライディング・ドア』『電話で抱きしめて』のデヴィッド・ハーシュフェルダー、サウンドデザインは『ハッピーフィート』のウェイン・パシュリー。スタントは『ウォッチメン』のデイモン・カロ。

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