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2013/05/12

宇宙ショーへようこそ

監督:舛成孝二
声の出演:黒沢ともよ/生月歩花/鵜澤正太郎/松元環季/吉永拓斗/藤原啓治/中尾隆聖/五十嵐麗/小野坂昌也/竹田雅則/宮本充/飯野茉優/江川央生/飛田展男/銀河万丈

30点満点中16点=監3/話1/出4/芸4/技4

【5人の小学生と、一匹の宇宙人の大冒険】
 山間の村に暮らす、夏紀、周(あまね)、清、倫子、康二。小学生だけで1週間を過ごす合宿に臨んだ5人は、怪我をして倒れている犬を助ける。だがそれは、犬によく似た宇宙人ポチ・リックマン。ポチは地球に育つ幻の植物ズガーンを密猟者から守ろうとして傷を負ったのだった。「お礼に」と月の裏側にある宇宙人たちの都市へ案内された5人。ところが地球へ戻れなくなり、さらにはズガーンを巡る陰謀にも巻き込まれてしまって……。
(2010年 日本 アニメ)

【ちょっとキツいデキ】
 自然、田舎の家の子ども部屋、教室などといった日常の風景から、宇宙空間や月面都市に至るまで、丁寧な美術の中で、キャラクターたちは画面からハミ出すほどの大きなアクションを見せる。
 日向と日陰の描き分け、リアリティよりもメリハリを利かせることに重点が置かれた動き、少ないセル数(もうセルではないんだろうけれど)でもスピーディに見せるテクニックなど、アニメーションとしての出来栄えは水準以上だと思う。

 ただ、どこへ向けて作られているのかわからない、という印象が強い仕上がり。
 労働の尊さや成長や友情や淡い恋などを散りばめて「体育館での上映」向けに思わせるいっぽうで、小学生をちょっといろっぽく描いたりインクのような萌えキャラを出したり、いきなり対消滅だのスーパーノヴァだのといった科学要素を説明抜きで持ち出したり。

 おまけに、ドラえもん、ネコバス風の乗り物、『E.T.』、ジョー・ダンテの『エクスプロラーズ』など、さまざまな要素の寄せ集め的なイメージを与える設定/展開/デザインだし、ポチとネッポとマリーの因縁を十分に描かず、ペットスターの秘密や大王の役割、ズガーンの機能なども説明せぬまま、いきなり衝突させる強引さ。

 あれやこれやと詰め込みすぎたあげく、ベクトルが定まらぬまま、盛り上げのために必要なファクターを欠いたまま、進んでいく。本来は13話ぶんくらいのストーリーを上手にまとめられなかった、という印象だ。
 136分もあるのに整理整頓ができず、全体に間延びしている。せっかく登場人物がしゃべり出す前の数秒の無言には、いい感じの間(ま)もあるのに、1本の劇場映画としては、ちょっとキツいデキだ。

 幸いにも、あまり手垢のついていないキャスト=5人の小学生役たちの、素直な演技(といっても松元環季ちゃんはかなりのベテランだけれど)が物語を引っ張り、その中でポチの藤原啓治が、変幻自在というか硬軟取り混ぜというか、楽しい芝居でアクセントをつけてくれる。

 この作画クォリティとキャストのまま、TVシリーズに再構成したほうがキッチリと整理されたモノになるんじゃないかな。ま、それでもどこへ向けての作品なのかは、相変わらず曖昧なままかも知れないけれど。

●主なスタッフ
 作画監督は『時をかける少女』の石浜真史、音楽は『FREEDOM』の池頼広。

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