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2013/06/18

エンジェル ウォーズ

監督:ザック・スナイダー
出演:エミリー・ブラウニング/アビー・コーニッシュ/ジェナ・マローン/ヴァネッサ・ハジェンズ/ジェイミー・チャン/カーラ・グギーノ/オスカー・アイザック/ジョン・ハム/リチャード・セトロン/ジェラルド・プランケット/マルコム・スコット/ロン・セルモア/アラン・C・ピーターソン/フレデリック・ド・ラコート/スコット・グレン

30点満点中17点=監3/話3/出4/芸3/技4

【未来のない場所からの脱出】
 誤って妹を死なせてしまい、横暴で強欲な継父によって精神病院へと送られた若き女性、ベイビードール。彼女は間もなくロボトミー手術を受ける運命にあったが、同じく入院中のスイートピー、ロケット、ブロンディ、アンバーとともに脱出の計画を練る。ベイビードールの武器は、たくましすぎる想像力。看護士ブルーやゴルスキー博士からの監視の目をかいくぐって、戦場を、中世を、未来都市を、5人の少女が駆け巡ることになる。
(2011年 アメリカ/カナダ)

★ややネタバレを含みます★

【空想のマトリョーシカ構造】
 作品内時間の大半がベイビードールによる空想の世界で展開する。しかもその空想の中でさらに空想するという入れ子構造。“想像の産物”映画はもう珍しいものではなくなったけれど、ずむずむと潜り込み、1本であれもこれも楽しめてしまうっていう作りが、けっこう楽しい。

 まずは序盤、ミュージッククリップ風に、音楽に合わせて物語の前提を見せていく。そこから寺社仏閣がミックスされたトンデモ日本。セーラー服に鎧武者に日本刀って、あんた確実に『BLOOD THE LAST VAMPIRE』とか観てるだろ。少なくとも女の子の決めポーズなんかには、日本製アニメ/特撮のテイストを強く感じるぞ。
 以後も、スチームパンクだの竜と騎士だの暴走列車だの、イメージはめまぐるしく切り替わる。1イメージで1ミッションだとストーリーが単調になるため、終盤ではイレギュラーな流れを用意。こういうリズムの崩しかたも心憎い。

 さまざまな世界/設定が出てくる割に、実は見た目的には大きくトーンが変わるわけではないのだけれど、グレイメタリックでアンダー、クローズアップだったりスぅっと寄っていったりスローを混ぜてみたりと、スナイダー監督らしいスタイリッシュな色調&動きが「他の作品にはない雰囲気」を作り出していることは確か。

 そして、女の子たちがみな可愛い。

 まぁ「そこへ逃げ込むしかない人(主に少女)の哀しみ」を描いた同種の作品に比べれば、その哀しさ・切なさが足りないものの、逆に「好きなように作られた猥雑な世界の中に漂う違和感・退廃感」は楽しめるかも。
 原題『Sucker Punch』は“不意打ち”の意らしいけれど、もうちょっと卑猥な意味もあるんじゃないの、と思わせる、ちょっとダークでちょっとヤらしくてちょっとオバカな雰囲気は、意外とイケてるんである。

●主なスタッフ
 脚本は監督自身と、これまでカメアシだのセカンドユニットのディレクターだの雑用(?)をこなしてきたスティーヴ・シブヤ。
 撮影ラリー・フォン、編集ウィリアム・ホイ、衣装マイケル・ウィルキンソン、音楽タイラー・ベイツ、サウンドのスコット・ヘッカー、VFXのジョン・“DJ”・デジャルダン、SFXのスコット・R・トレリヴィング、スタントとファイト・コレオグラファーのデイモン・カロと、主要スタッフのほとんどが前作『ウォッチメン』と共通している。
 ほかでは、プロダクションデザインが『アバター』『宇宙戦争』のリック・カーター、クリーチャーデザインが『トロン:レガシー』のラッセル・ルキッチ、音楽が『キック・アス』のマリウス・デ・ヴリーズ。

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