夜明けのゾンビ
監督:ジョン・ゲデス
出演:マーク・ギブソン/アダム・シーボルド/ジョーダン・ヘイズ/ビル・モーズリイ/スティーヴン・マクハティ/アリ・ミレン/ジェイソン・デイヴィッド・ブラウン/サラ・スタント/クリスチャン・マーティン/ディー・ウォーレス/ブライアン・コックス(声の出演)
30点満点中16点=監3/話2/出3/芸4/技4
【人類は終わってしまうのか】
生き返る死者=ゾンビが増え世界は混乱のときを迎えていた。人類にとって唯一の希望は、ヤング家に伝わる1冊の本。南北戦争の終焉後、エドワード・ヤングが書き残した日記だ。当時も多くの死者が蘇り、人肉を求めてさまよっていたという。妻ジュリアと幼い息子アダムを喪ったエドワードは、アダムとのある約束を果たすため“エリスの滝”を目指す。だが、その道中にも、はびこるゾンビや狂気の軍人といった危険が潜んでいた。
(2011年 カナダ)
【面白さに欠く】
なにしろIMDbにも英語版Wikipediaにも載っていない監督なんで製作背景はわからないんだけれど、自主制作に近いインディペンデント作品で、推定予算は30万カナダドル、およそ3000万円。
うーん、いい部分もなくはない。アニメの挿入、ゾンビの生態を観察しちゃう主人公、自分の息子のゾンビ化といったアイディアはユニークで、ロケーションの美しさ、やたら重厚な音楽、シャープな撮影、ゾンビの造形なども気合が入っている。
でも、面白いかっていうとそうでもない。上記のアイディアが真新しさにつながっていないし、「結局怖いのは人間」っていうテーマも古臭いうえに消化しきれていないし、エドワードはウンウン唸っているだけで苦悩が掘り下げられぬままだし、アクション的見せ場もないし……。
いきなりの告白とか「免疫の持ち主が見つかった」とか唐突に話を進めていく強引さもある。
早い話、見た目はマズくなくって低予算の割には頑張っているけれど、浅くて稚拙で退屈な仕上がり。あと、字幕がひどい。翻訳って、英語力以前に日本語力が必要だと思うよ。
シッチェス・カタロニア国際映画祭への出品作とのこと。シッチェスではタランティーノとかクローネンバーグとかリンチが高い評価を受けていて、邦画では『座頭市』がグランプリ、『十三人の刺客』が観客賞、『サマーウォーズ』と『おおかみこどもの雨と雪』はアニメーション部門の最優秀長編作品賞を獲っている。2009年のBest Filmは『月に囚われた男』。
それなりのレベルのものも集まっているはずなんだけれど、本作はハズレを安く買ってきて、やっつけで公開しちゃった、というイメージ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント