赤ずきん
監督:キャサリン・ハードウィック
出演:アマンダ・セイフライド/ビリー・バーク/ヴァージニア・マドセン/シャイロー・フェルナンデス/マックス・アイアンズ/ルーカス・ハース/ショーナ・ケイン/ケイシー・ロール/コール・ヘッペル/マイケル・ホーガン/エイドリアン・ホームズ/クリスティーン・ウィリス/マイケル・シャンクス/ドン・トンプソン/ジュリー・クリスティ/ゲイリー・オールドマン
30点満点中16点=監3/話3/出4/芸3/技3
【忌まわしき因習が行き着く果て】
家のため鍛冶屋のヘンリーと婚約することとなったヴァレリーだか、森で働くピーターと恋に落ちていた。ふたりが村を出ようと決意した日、ヴァレリーの姉が死体で見つかる。人狼が「生贄として動物を捧げれば人を襲わない」という因習を破ったのだ。村人たちは決起するが、こんどはヘンリーの父が犠牲となる。「人狼は村にいる」と警告する人狼退治のスペシャリスト・ソロモン神父。果たして人狼の正体は? ヴァレリーの運命は?
(2011年 アメリカ/カナダ)
【細部の詰めはアマアマ】
監督は『トワイライト~初恋~』の人。で、やっぱり男の子ふたりでヒロインを取り合うっていう夢物語の出来上がりだ。
誰もが知っている「赤ずきんちゃん」と人狼伝説とを融合させたのは、面白いと思う。全体的なまとまり、辻褄も問題ないだろう。
でも、バタバタっと進む印象が強く、設定は昼メロっぽいし、人狼の正体とか出来事の裏に潜む真相なんかは途中で読めてしまうし、ヴァレリーのキャラクターがいまどきの女の子っぽくて世界観に合わないし、ピーターが無敵すぎるし、と、細部の詰めはアマアマ。明らかに馬鹿ティーンしか喜ばないような仕上がり。
撮りかたも、VFXや空撮を駆使して迫力とスピード感を出そうと努力しているのは感じられるけれど、なんか窮屈。村の中心部って、まぁセットにするのは仕方ないとしてもオープンではないのかな。空と人が同時にうつる場面が少なく、それが狭苦しさを呼んでいる。物語そのものが持つ閉塞感につながればいいのだが、どちらかというと「パっとしない」「チマチマしている」という印象。
サントラも電子系で深みに欠けるし。
見どころはアマンダか。「赤いフードが似合うかどうか」が最大のポイントだと思うんだけれど、これについては文句なし。顔の作り、色の白さ、強い目力(めぢから)など、彼女の「明るく屈託のない役でも陰のある役でもちゃんとハマる」という魅力を引き出しているとは思う。
安ぅい感じ、というか、ちゃんと「面白いお話、面白い映画」へと詰め切れなかったイメージは残るものの、アマンダ・ファンのコレクターズ・アイテムとしては、まぁ機能しているかな、といったところ。
●主なスタッフ
脚本は『エスター』のデヴィッド・レスリー・ジョンソン。
撮影は『ニュースの天才』などのマンディ・ウォーカー、編集は『トワイライト~初恋~』のナンシー・リチャードソンと『X-MEN:ファイナル ディシジョン』のジュリア・ウォン。プロダクションデザインは『アポカリプト』のトーマス・E・サンダース、衣装は『P.S.アイラヴユー』のシンディ・エヴァンス。
音楽は『主人公は僕だった』のブライアン・レイツェルと『消されたヘッドライン』のアレックス・ヘッフェス。サウンドは『パブリック・エネミーズ』のローレン・コサイアン。
SFXは『ウォッチメン』のチーム、VFXは『ウルフマン』のチーム、スタントは『トワイライト~初恋~』のアンディ・チェンと『パッセンジャーズ』のスコット・ニコルソン。
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