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2013/09/17

抵抗 死刑囚の手記より

監督:ロベール・ブレッソン
出演:フランソワ・ルテリエ/シャルル・ル・クランシュ/モーリス・ベアブロック/ローラン・モノー/ジャック・エルトー/ジャン・ポール・デルムー/ロジェール・トレアーン

30点満点中17点=監4/話2/出4/芸3/技4

【ある囚人の、脱獄への熱】
 第二次大戦時、ナチス占領下のフランス・リヨン。諜報活動の容疑で捕らえられたレジスタンスのフォンテーン中尉は、このうえなく警戒厳重な刑務所へと投獄される。ここに収容された者のほとんどは、取調べは受けるものの間違いなく有罪となり、銃殺は免れない運命だ。フォンテーンは、知恵と無謀さ、他の囚人の協力や偶然の力に助けられながら、脱獄計画を進める。やがて彼にも有罪判決が下り、残された時間はわずかとなった。
(1956年 フランス)

【音の生かしかたが巧み】
 ナレーションベースで、かなり独白に頼った展開。刑務所の警備は意外と甘くて作りは原始的だし、フォンテーンがキーアイテムを手に入れる過程は偶然に頼ったりして、気に食わない。

 それが事実なんだもん、といわれればそれまでだが、たとえば『プリズン・プレイク』あたりを観た者にとっては物足りない内容。まぁ『プリズン・プレイク』もかなり非現実的だけれど、あっちはファンタジーなりにディテールには凝っていた。こちらは刑務所の作りや計画の全貌が見えにくく、手の込んだ脱出劇でもないってのは、いただけない。

 ただ、計画の進行度や課題・障害などはそれなりにわかりやすく、なにより人の行動を支える“目的”を割愛し、行動そのもの=とにかく脱獄しなきゃ、に特化してお話をまとめた潔さは素晴らしい。

 いざ本番では、しばらく屋根の上で躊躇したりするリアル。タイミングを待って兵に襲いかかる間(ま)を1カットで見せるスリル(ここもナレーションに頼っていたのが残念)。
 とりわけ、序盤から生活音を撒き散らして刑務所の実在感をアップさせ、そのさまざまな音をクライマックスでも生かしてみせる構成が効果的だ。

 職業俳優を使いたがらない監督、とのことだが、主演フランソワ・ルテリエの、適度に無機的な雰囲気は作品世界に合っていて良。後に映画監督となった人物(息子は『トランスポーター』シリーズや『タイタンの戦い』のルイ・レテリエ)だから、スタジオでうろちょろしているところをスカウトか紹介かされて起用、みたいな感じだったのだろうか。
 それがハマった印象だ。

 コンパクトな中に、というか、コンパクトだからこそ、作り手の意思や詰まった幸運、その逆に「ここはイマイチ」という部分もハッキリ見えるような作品。

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