世界侵略:ロサンゼルス決戦
監督:ジョナサン・リーベスマン
出演:アーロン・エッカート/ラモン・ロドリゲス/ウィル・ロスハー/コリー・ハードリクト/ジム・パラック/ジーノ・アンソニー・ペシ/Ne-Yo/ジェームズ・ヒロユキ・リャオ/ブリジット・モイナハン/ノエル・フィッシャー/アデトクンボー・マコーマック/ブライス・キャス/ミシェル・ロドリゲス/ニール・ブラウン・Jr/テイラー・ハンドリー/ジョーイ・キング/ルーカス・ティル/ジェイディン・グールド/マイケル・ペーニャ
30点満点中17点=監3/話3/出4/芸3/技4
【戦場はLA。脱出を図る舞台】
突如として大量の流星が地球全土に降り注ぎ、ほどなく世界の主要都市がエイリアンの襲撃を受けた。米西海岸ではLAに防衛ラインが敷かれ、対エイリアン空爆の準備が進行。取り残された民間人を救うため、新任少尉マルティネス率いる部隊が出発する。そこに代理曹長として配属された訓練教官のナンツは、戦場で部下を死なせてしまった過去から海兵隊員たちに疎まれていた。適地を進む部隊はエイリアンたちに取り囲まれてしまい……。
(2011年 アメリカ)
【意外と綺麗にまとまった映画】
嫌いじゃない、というか、想像していたより面白くできていると思うのだけれど、ちょっと綺麗すぎるのが問題か。
ブレまくりの手持ちカメラや逆光の多用などで、臨場感の創出に気をつかった作り。ただ、アングルやサイズがピタっと決まっているうえに編集も小気味よくまとまっているので「その場に放り込まれた」という感覚にはなりにくく、むしろ見やすさとカッコよさが先に立つ。
ストーリー展開や設定も『ID4』やら何やら過去の同種作を上手にアレンジして、スリリングながらも手堅く都合よくまとめた感じ。
多様な人種からなる部隊、退任間近の出兵、PTSD、新任隊長と先任兵士との関係、対立と和解、民間人の父子、なぜか活躍しちゃう女性、1兵卒の無茶な活躍から大逆転など、全体としてどこかで見たようなフォーマットの組み合わせだ。
ただ、部隊の状況変化や敵兵力のインフレ化(というほどでもないか)のタイミングが的確で、最後まで流れよく見せ切ってくれる。
役者陣では、訓練教官という役柄は大丈夫なの? と思わせたアーロン・エッカートが意外とハマっていたのが驚き。ラモン・ロドリゲスも、戸惑いながらも優秀な兵士らしく決断を下す少尉像を好演している。
で、エレナ・サントス曹長=ミシェル・ロドリゲスである。この手のキャラクターは、もうこの人しかいないんじゃないかと。「向こうっ気の強い女性兵士」を演じるのって何回目だ。この配役もまた“どこかで見た”感を助長するものであり、この映画の“崩れのなさ”を象徴するファクターではないだろうか。
そんなわけで、冒険しているようでしていない、寄せ集めだけれどその集めかたが上手い、B級に見えて各所しっかり作られている、という、不思議な仕上がりの作品。
あと、「あいつら(エイリアン)も命令されて戦っているのかも」というセリフや、全体戦況と同時に部隊の状況もわかりやすく描くこと、大都市ひとつが壊滅するスケール感を保ちながらも無理に風呂敷を広げたり枝葉を茂らせたりしなかったことなど、SFアクションにしては珍しく“兵隊映画”のベクトルを貫いた点もユニークなんじゃないだろうか。
●主なスタッフ
脚本は『将軍の娘/エリザベス・キャンベル』のクリストファー・バートリニー。撮影のルーカス・エトリンなど監督の前作『実験室KR-13』でも仕事をした人が多い。
編集は『彼が二度愛したS』のクリスチャン・ワグナー、プロダクションデザインは『ボーン・アルティメイタム』のピーター・ウェナム、コンセプト・デザインは『アバター』のティルベン・エリンソンとジョルドゥ・シェール、衣装デザインは『NEXT-ネクスト-』のサーニャ・ミルコヴィッチ・ヘイズ。
音楽は『イーグル・アイ』のブライアン・タイラー、サウンドは『サロゲート』のジョン・ジョンソンや『スペル』のクリス・M・ヤコブソン。
SFXは『ビッグ・フィッシュ』のスタン・パークス、VFXは『パンズ・ラビリンス』のエヴァレット・バーレル、スタントは『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のジョーイ・ボックス。
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