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2013/11/27

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ローガン・ラーマン/マシュー・マクファディン/レイ・スティーヴンソン/ルーク・エヴァンズ/マッツ・ミケルセン/フレディ・フォックス/ジュノー・テンプル/ガブリエラ・ワイルド/ジェームズ・コーデン/カーステン・ノルガード/デクスター・フレッチャー/ミラ・ジョヴォヴィッチ/オーランド・ブルーム/クリストフ・ヴァルツ

30点満点中16点=監3/話2/出4/芸4/技3

【英仏海峡の大決戦】
 近隣諸国とは一触即発の状態、外交に頭を悩ませる17世紀のフランスでは、国王ルイ13世を陰で操るリシュリュー枢機卿が謎の女ミレディを使って暗躍していた。枢機卿率いるロシュフォールら衛士たちと犬猿の仲なのは、王直属の“三銃士”、アトス、ポルトス、アラミスだ。そこへ田舎からパリに出て銃士隊入りを目指す青年ダルタニアン、さらには英国の権力者バッキンガム公爵が加わり、策謀と裏切り、恋と剣闘の大冒険が始まる。
(2011年 ドイツ/フランス/イギリス/アメリカ)

★ネタバレを含みます★

【食い足りない】
 問題作のリチャード・レスター版はTVで何度も楽しんだし、スティーヴン・ヘレク版もたぶん観た。キャンデロロ様による渾身の長野五輪もいい思い出だ。三谷幸喜版の人形劇も記憶に新しい。

 で、どの作品も相当に脚色されている(レスター版は比較的原作に忠実らしいが)というか、「どう面白く料理するか」を競い合うのが『三銃士』作りのセオリーみたいになっているわけで。
 本作の場合はダ・ヴィンチ設計による飛行船の登場がキモだけれど、バッキンガム公が徹底した敵役だったり、ボナシューがいなくってコンスタンスが独身扱いだったり、プランシェの役割が変わっていたりと、いろいろイジられている。

 で、それが効いているかというと、そうでもないんだな。
 コンスタンスらの件はいいとして、肝心の2つ、飛行船と悪役バッキンガムの扱いが、なんともショボイ
 飛行船は、ただの思いつき止まり。「剣戟ばかりじゃ飽きられるだろうから空中戦を」という狙いは妥当だと思うし、フランスへの帰国をスピードアップさせている効果もあるのだけれど、クライマックスのアクションはアっという間に終了。一応はエンディングにエクスキューズが用意されているものの、逆にいえば続編(現時点ではアナウンスなし)への“フリ”にしかなっていない。
 バッキンガム公は、オーリーの悪役ってのは確かに新鮮だけれど、そもそも出番少なし。敵役としての“アク”も不足気味。生まれながらの悪役、クリストフ・ヴァルツのリシュリューやらマッツ・ミケルセンのロシュフォールやらがいるんで、損している感じ。あ、もともと客寄せか。

 だいたい、安定感がありすぎるうえに誰もが知っていて、しかも長編小説向けのストーリーなんだよなぁ。
 波乱に満ちた展開と意外な人間関係と三つ巴(銃士vs枢機卿vsイギリス)の構図と個性的なキャラクター、それら楽しい要素を処理するには尺が短い。おかげでバッキンガム公だけでなく、アトスとミレディの関係、王と王妃の関係などの描き込みも十分でなく、全体に中途半端

 作りも、中途半端というか爽快感に欠くというか。冒頭からいくつも見せ場を用意してあるのはいいけれど、出力7のアクションを散らしてあるようなイメージで、盛り上がりとしてはイマイチ。
 ロシュフォールとの対決もね、観てる側が「!」と感じられるよう、もそっと工夫すりゃあいいのに。『AVP』から成長してない。

 冒頭、ヴェネチアの兵士にスぅっとカメラが寄っていくところとか全編に渡ってのロケーションの確かさ(ドイツで撮られている模様。セットを組んである場面も華やか)とか、いいねのシーンや丁寧な仕事も見られる。ローガン・ラーマンはダルタニアンにピタリとハマっているし、「うちのカミさんをカッコよく撮りたいな」という思いもまっとうしている(まぁちょっと浮き気味のミラだけれど)。
 でも、ちょっと食い足りないなぁと感じる仕上がり。

●主なスタッフ
 脚本は『プレデターズ』のアレックス・リトヴァクと『ブリジット・ジョーンズの日記』のアンドリュー・デイヴィス。
 撮影は『バイオハザードIV』のグレン・マクファーソン、編集は『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』のアレクサンダー・バーナー。プロダクションデザインは『デス・レース』のポール・デナム・オースタベリー、衣装のピエール=イヴ・ゲローとサウンドエディターのステファン・ボッシュは『パフューム ある人殺しの物語』のスタッフ。
 音楽は『ブルークラッシュ』のポール・ハスリンジャー、SFXは『ハンナ』のゲルド・ネフツァー、VFXは『バイオハザード』シリーズのデニス・ベラルディ、スタントは『ラン・ローラ・ラン』のヴォルクハルト・バフ、『ラストサムライ』のニック・パウエル、『カスピアン王子の角笛』のローマン・スペイシル。

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