« カンパニー・メン | トップページ | 幸せパズル »

2013/12/09

トライアングル

監督:クリストファー・スミス
出演:メリッサ・ジョージ/マイケル・ドーマン/ヘンリー・ニクソン/レイチェル・カルパニ/リアム・ヘムズワース/エマ・ラング/ジョシュア・マクルバー/ジャック・テイラー/ブライアン・プロベッツ

30点満点中17点=監4/話3/出4/芸3/技3

【その船では何かが起こっている】
 シングルマザーのジェスは、わが子トミーが自閉症ということもあって育児に疲れ気味だ。勤め先のレストランで出会ったグレッグに誘われ、彼の友人ダウニーとその妻サリー、ヘザーやヴィクターとセーリングへと出かけるジェス。ところが急な嵐に遭い、ヨットは転覆、一行は通りかかった大型客船アイオロス号へと逃げ込む。人の姿が見えず静まり返る船内で、彼らは惨劇に見舞われることとなる。いったい誰が、何のために……?
(2009年 イギリス/オーストラリア)

【珍しい拾いもの】
 低予算(といっても10億くらいはかかってるけど)で撮られた新人のデビュー作かなと思ってハズレ覚悟で観てみたら、意外に面白くってしっかり作られていて、びっくり。
 監督・脚本は『0:34 レイジ 34 フン』の人。そちらの感想を読み返してみると「ベタな作りと流れだが、それだけに安定感はまずまず。ズルズルと恐怖へ引きずり込まれる雰囲気は快感。ただし後半、グロと倒錯の度合いが増してくるにつれて面白味がなくなる」となっている。

 うん、色合いとしては似ているけれど、当時から確実にグレードアップしていますな。

 褪せた色調でハイキーの画は雰囲気も良く、カメラは小気味よく動き、その中で人物たちもよく動く、動的な絵作り。VFXやら空撮やらを織り交ぜながら全体に「こう撮りたいんだ」という意欲があふれ出ている。
 くどく説明することなく登場人物たちの背景もそれなりに伝えるし、冒頭はオモワセブリック、急展開の後半、内省的な終盤と、緩急もリズム感もあるテンポのいい展開。ジャンプカットで「事態の繰り返し」を感じさせるあたりも気が利いている。
 主演メリッサ・ジョージのヴィジュアルも上々だ。

 完全に凪いだ海ってのも新鮮かつ怖いよな、嵐の場面にはけっこう力が入っているな、だいたい船っていうシチュエーションは「外界からの孤立、迷路のような内部、可変する行き先、海への根源的恐怖」などが要素としてあってスリラーにはもってこいだよな、オノの登場とか通路の撮りかたなんかには『シャイニング』へのオマージュも感じるよな……など、いろいろと退屈しないファクターも多かったり。

 で、何が原因でどんなことが起こっているのかについてはあくまでも不条理スリラーなんだけれど、その枠の中では、ループの蓄積というユニークなアイディアの視覚化、前回ループとの関係、輪の閉じかたなど、いずれも妥当で適切。この手の作品でありがちな「んなアホな」「なんだかなぁ」「意味わからんやん」に陥らず、きっちり組み立ててみせている。

 ハズレの多いB級ソリッド・シチュエーション・スリラーの中にあって、珍しく“拾いもの”といえる作品。

●主なスタッフ
 撮影のロバート・ハンフリーズと音楽のクリスチャン・ヘンソンは『ポビーとディンガン』の人たち。サウンドエディターは『カオス』のピーター・バルドック、VFXは『ソルト』のイヴァン・モラン。

|

« カンパニー・メン | トップページ | 幸せパズル »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42478/58725430

この記事へのトラックバック一覧です: トライアングル:

« カンパニー・メン | トップページ | 幸せパズル »