30デイズ・ナイト
監督:デヴィッド・スレイド
出演:ジョシュ・ハートネット/メリッサ・ジョージ/ベン・フォスター/マーク・ブーン・ジュニア/マーク・レンドール/アンバー・セインスベリー/マヌー・ベネット/ミーガン・フラニック/ジョエル・トベック/エリザベス・ホーソーン/ナサニエル・リーズ/クレイグ・ホール/チック・リトルウッド/ピーター・フィーニー/ダニー・ヒューストン
30点満点中16点=監3/話2/出3/芸4/技4
【延々と続く夜。バンパイアとの戦い】
深い雪と氷に閉ざされ、隣町との距離は80マイル、人が住む最北の地といわれる、アラスカ州バロウ。石油のパイプライン施設くらいしかないこの町に、30日間続く“極夜”のシーズンがやってくる。それにあわせて起こる数々の残虐な事件。陽光を嫌うバンパイアどもが、闇に乗じて狩りを始めたのだ。保安官のエバンと妻で消防士のステラ、エバンの弟ジェイクらは生き残った者たちを集め、なんとか生き延びる策を探るのだが……。
(2007年 アメリカ/ニュージーランド)
【もう少しお話を練れば】
監督が『ハードキャンディ』と『エクリプス/トワイライト・サーガ』の間に撮った映画。人気シリーズに抜擢される契機となった作品、みたいな位置づけともいえるが、まぁデキはほどほど。
悪いわけじゃない。人物紹介を兼ねつつ不思議な事件を適度に配した序盤から本題へ入っていく流れ、見た目の質感、殺戮シーンを空撮でやってしまう豪胆な絵作りなど、手堅さも驚きもある仕上がりだ。
陽が暮れていく極寒の地というロケーションもいいし、神経を逆なでするような音楽も印象的。
どうやってバンパイアどもの大群を突破するか、についての解決策は、いかにもコミック的(原作はグラフィックノベルらしい)だけれど、ホラー映画としてはある意味で画期的なものだろう。
ただ“そもそも”の部分で失敗しているんじゃないか。
なにしろずっと夜、ずっと北の大地だから、舞台は暗くて寒い街角か灯りを消した室内ばかり。それによる恐怖と引き換えに、アクションや空気感のバリエーションが犠牲にされている。
ふたたび陽が昇るまで30日、という設定も、たとえば食料や燃料が切れる切迫感とか、バンパイア側からすれば食い物がなくなる怖れとか、そういう「あって然るべき展開」がないため生かされているとは思えない。
もう少し練れば面白くなったのになぁ、という1本。
●主なスタッフ
脚本は原作者のスティーヴ・ナイルズと『すべてはその朝始まった』のスチュアート・ビーティー、『デビル』のブライアン・ネルソン。
撮影のジョー・ウィレムズと編集のアート・ジョーンズは『ハードキャンディ』から引き続いての監督とのタッグ。
プロダクションデザインは『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』のポール・D・オースタベリー、衣装デザインは『アンダーワールド:ビギンズ』のジェーン・ホランド、音楽は『赤ずきん』のブライアン・レイツェル、サウンドエディターは『テラビシアにかける橋』のティム・プレッブル。
VFXは『猿の惑星:創世記』のダン・レモンと『LOTR』のチャーリー・マクレラン。SFXのジェイソン・デュレイとスタントのアラン・ポップルトンは『ナルニア』シリーズの人たち。
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