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2014/02/13

サンクタム

監督:アリスター・グリアソン
出演:リチャード・ロクスバーグ/リース・ウェイクフィールド/ヨアン・グリフィズ/アリス・パーキンソン/ダン・ワイリー/クリストファー・ベイカー/ニコール・ドーンズ/アリソン・クラッチリー/クラマー・ケイン/アンドリュー・ハンセン/ジョン・ガーヴィン

30点満点中17点=監4/話3/出3/芸4/技3

【誰も踏み入ったことのない暗闇の奥へ】
 パプアニューギニアに広がる人跡未踏の原生林、その真ん中に口を開けるのは巨大洞窟“エスペリト・エサーラ”だ。探検家フランクを中心とするチームは洞窟内にいくつものベースを設置、海への出口を探りながら数千メートルも進んでいたが、サイクロンの接近による増水で外部と遮断されてしまう。ジョシュは非情な父フランクに反発しながらも、チームのジョージや調達担当のカール、その恋人ヴィクトリアらと洞窟の奥へ向かうのだった。
(2011年 アメリカ/オーストラリア)

【悪さが魅力につながっている】
 冒頭からスピーディな空撮と派手なサントラでスケール感はたっぷり、期待を煽る。が、いかんせん舞台はずっと洞窟の中だから見た目のバリエーションに乏しく、フレーミングも窮屈で暑苦しい本編が続くことになる。
 そのほか、何となく「音声の後入れ感」が目立ったりして“イケテナイ”空気を放つんだけれど、そうした質の悪さが不思議と魅力につながっているように思える。

 たとえば序盤は、ちょっと“かったるい”。でも、現地シャーマンをサラリと入れ込んで神秘性を醸し出したり、フランクのワンマンぶりを描いて観る者に「扱いにくそうなヤツだなぁ」と思わせたり、洞窟探検そのものやパニックに陥ることの危険性を知らせたり、伏線を散らしたり……と、内容的にはまとまっていて悪くない。

 30分過ぎくらいからは息を飲む怒涛の展開。映画文法的には荒っぽい編集なんだけれど、序盤との速度差も相まってテンポは上々だ。窮屈な絵は閉塞感の創出に寄与している。

 ジョシュを演じたリース・ウェイクフィールドは子役出身なのかな。イケメンで体型もいい。反面、芝居は硬いし、豪州英語が聴き取りにくくってかなわん。でもそれが、この素直で直情型の息子にハマっている。

 で、キモとなる3つのパーツが上出来
 洞窟内のシーンは、場所を見つけてきたのかセットを組んだのか(たぶん両方だろう)、いずれにせよリアル。そこへ押し寄せる地下水の奔流も重量感があり、水中のうすら寒さや息苦しさも申し分ない。
 そうした空間でスタントが頑張る。
 そして、フランクというキャラクター。父性、責任感、経験、業、自らに使命を言い聞かせて奮い立たせる弱さ。そうした人間的魅力を存分に発揮していて、そりゃあ仕事や遊びで付き合いたいタイプじゃないものの、映画の軸を担う存在としてしっかり機能している。
 いや実際、この人の意見はちゃんときかなきゃいかんでしょ。

 本作を支えるべきこれら重要なファクターが堅牢だから、かったるくても暑苦しくっても聴き取りづらくっても、最後まで一定かつ上質なテンションをキープして見せ切る。

 ま、手間暇をかけている割にはやっぱり狭苦しくて、期待したようなスケールにも味わいにも“格”にも欠けて、損をしている印象もあるけれど、世間の評判よりはよくできた映画だと思う。

●主なスタッフ
 編集は『ウォーター・ホース』のマーク・ワーナー、音楽は『ガフールの伝説』のデヴィッド・ハーシュフェルダー、サウンドエディターは『サブウェイ123 激突』のポール・ピローラ。
 SFXは『ステルス』のブライアン・ピアース、VFXは『バンク・ジョブ』のデヴィッド・ブース、スタントは『デイブレイカー』のクリス・アンダーソン。

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