ドライブ・アングリー
監督:パトリック・ルシエ
出演:ニコラス・ケイジ/アンバー・ハード/ウィリアム・フィクトナー/ビリー・バーク/トッド・ファーマー/クリスタ・キャンベル/シャーロット・ロス/トム・アトキンス/ジャック・マクギー/ケイティ・ミクソン/アリアンネ・マーティン/ジェミー・ティアー/デヴィッド・モース
30点満点中16点=監3/話2/出4/芸3/技4
【不死身の男は走る、唯一の存在のために】
カルト教団に連れ去られた赤ん坊を取り戻すため、あるヴィジョンに悩まされながらも教祖ヨナ・キングの居場所を探し求めるジョン・ミルトン。横暴な婚約者に愛想を尽かし、ミルトンと同行することになった強気なウエイトレス、パイパー。彼らを追うのは“監察官”を名乗る不思議な男。銃弾と血しぶきが飛び、エンジンオイルと炎の舞う追跡劇が幕を開ける。果たしてミルトンや謎の男の目的は? ヨナによって地獄の門は開かれるのか?
(2011年 アメリカ)
【B級ながら、いくつか見どころはアリ】
いきなりVFXで始まり、派手だけれど泥臭いカーチェイス、吹っ飛ばされる腕、そしてハードロックと打込みのサウンド。登場するのは60年代あたりのノン・エコロジカルなアメ車ばかり。ストーリーはといえば、悪魔と暴力を軸に一直線。
ああ、こういう映画だったのね。
要するにB級。主演がニコラス・ケイジでなけりゃ日本公開も怪しかっただろうし、3Dでも撮れなかったんじゃないか。
でも、B級らしい爽快感はある。というかブットビ感か。殺した相手の大腿骨を持ち歩くとか、あの最中に銃撃戦をしでかしちゃうとか。
カースタントはかなりしっかりしているし、水素運搬車を転がすシーンなんかも決まっていて「おっ!」と思わせてくれる。
安くて薄いストーリーも、最初は観る者を置き去り、徐々に物語の背景を明かしていくという工夫で惹きつけるし、監察官の「すぐに会おう」といったセリフでニヤリとさせたりして、バカバカってわけでもない。
あと、役者ね。ニコラス・ケイジは、もはやこういう役しか似合わない領域に入りつつある感じ。パイパー役のアンバー・ハードは、不必要なセクシーさがなく、それでいてハスッパなイメージをよく出している。意外なところで登場するデヴィッド・モースもアクセント。
で、ウィリアム・フィクトナーですよ。そもそも主役を追い回す役がピタリとハマる男。加えて今回、いろんな作品でさんざん演じられているタイプの“謎の追跡者”に、上手く自分なりのキャラクターを乗っけていて、本作における最大の魅力となっている。
フィクトナーがFangoria Chainsaw Awards(ホラー/オカルト系雑誌の読者による映画賞)で助演男優賞第2位、ニコラス・ケイジがラジー賞の主演男優賞ノミネート、ってのがこの映画のポジションを物語っているかも。
●主なスタッフ
監督・脚本・編集のパトリック・ルシエは『アイズ』で編集を担当。そのほか主要スタッフは、B級ホラーの道を歩んできた人が多い模様。
衣装は『88ミニッツ』のメアリー・E・マクロード、音楽スーパーバイザーは『メカニック』のセレナ・アリザノヴィッチ、スペシャル・メイキャップは『ウルヴァリン』のゲイリー・J・トゥニクリフ、サウンドエディターは『パーシー・ジャクソン』のロバート・シャウプ。
SFXは『マイレージ、マイライフ』のウィリアム・ドーソン、スタントは『ボビーZ』のオークリー・ラーマンら。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント