スノーホワイト
監督:ルパート・サンダーズ
出演:クリステン・スチュワート/シャーリーズ・セロン/クリス・ヘムズワース/サム・クラフリン/サム・スクリュエール/イアン・マクシェーン/ボブ・ホスキンス/レイ・ウィンストン/ニック・フロスト/エディ・マーサン/トビー・ジョーンズ/ジョニー・ハリス/ブライアン・グリーソン/ヴィンセント・レーガン/ノア・ハントリー/リバティ・ロス/レイチェル・スターリング/ラフェイ・キャシディ/ハビエル・アトキンス
30点満点中16点=監3/話1/出4/芸4/技4
【魔女と姫】
美少女たちの心臓を食らうことで永遠の美と若さを保ち続けるラヴェンナの手にかかり、国王は逝く。塔に幽閉されたまま成長したスノーホワイト姫は隙を突いて逃げ出すものの、彼女の存在が自分の未来を左右すると知ったラヴェンナは弟フィンを追っ手として差し向ける。狩人エリックや七人の小人たちに助けられ、公爵家の幼馴染ウィリアムと再会したスノーホワイトは打倒ラヴェンナを誓うのだが、ラヴェンナの魔力の前に倒れてしまい……。
(2012年 アメリカ)
【細部の詰めの甘さや曖昧さがあって不満】
大学の宿題として仕上げられた脚本が320万ドルで売れて、CМ畑の監督の長編デビュー作として撮られた映画である模様。
若く優れた芽を一流のスタッフが支えているんだけれど、及第点には達しなかったかな、という印象。
総じて画面はシャープでスタイリッシュ。岸壁に立つ城、雪の世界、具現化した鏡、ラヴェンナのコスチュームなどヴィジュアルイメージもユニークだし、音楽は重厚に世界を彩る。
なんといってもシャーリーズ・セロンの魅力が光る。悪の中に哀しみをたたえた新解釈の継母を演じ切って、(当初はウィノナ・ライダーにオファーしていたらしいが)この人でなきゃできなかった役だよな、と説得力たっぷりだ。
そんなわけでパっと見の良さはあるんだけれど、ラヴェンナに余韻や情のようなものをすべて持って行かれて、スノーホワイト側の展開が乱暴すぎるように思える。
いきなり登場する新キャラを契機に話が転がるという単調な流れだし、悪に屈しながらも民を守るという公爵の葛藤、小人たちの立ち位置やキャラクター(豪華な配役なのに描き分けられていない)、女だけが残された村、スノーホワイトを巡る狩人とウィリアムの関係など、うやむやのまま済ませている部分も多い。
民話・童話をコミック風に、あるいはアドベンチャーとして上手くアレンジしてあるのは確かだが、細部が詰め切れておらず、どこか寄せ集め&ダイジェスト的なまとめで終わっちゃっているのだ。
演出的にも、ガラスのように砕ける闇の騎士以外はアクション部分に新鮮味がないなど、全体にワクワク感が乏しい。
ダメダメではないけれど、満足度としては低い仕上がり。
●主なスタッフ
エヴァン・ドーハティの原案・脚本に『しあわせの隠れ場所』のジョン・リー・ハンコックや『キルショット』のホセイン・アミニが参加。
撮影は『ゼロ・ダーク・サーティ』のグリーグ・フレイザー、編集は『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』のコンラッド・バフら。
プロダクションデザインは『グリーン・ゾーン』などのドミニク・ワトキンス、衣装は『TIME/タイム』のコリーン・アトウッド。音楽は『グリーン・ランタン』などのジェームズ・ニュートン・ハワード、サウンドエディターは『ブラック・スワン』のクレイグ・ハニガン。
SFXは『タイタンの逆襲』などのニール・コーボルドとマイケル・ドーソン、VFXは『ターミネーター4』などのフィル・ブレナン、スタントは『エアベンダー』などのベン・クーク。
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