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2014/12/24

キラー・エリート

監督:ゲイリー・マッケンドリー
出演:ジェイソン・ステイサム/クライヴ・オーウェン/ドミニク・パーセル/エイデン・ヤング/イヴォンヌ・ストラホフスキー/ベン・メンデルソーン/アドウェール・アキノエ=アグバエ/デイヴィッド・ホワイトリー/マット・ネイブル/レイシー・ハルム/マイケル・ドーマン/ロドニー・アフィフ/フィラス・ディラーニ/ロバート・デ・ニーロ

30点満点中17点=監3/話3/出4/芸3/技4

【困難な仕事に挑む元殺し屋】
 殺し屋稼業から引退して恋人アンと暮らすダニーは、かつての相棒ハンターが窮地に陥っていることを知る。アラブの元首長からの依頼を蹴って逃亡を企て、捕えられたというのだ。ハンターを救うため、彼に代わって仕事を引き受けるダニーと仲間たち。ターゲットは、世界最強と怖れられる英国特殊空挺部隊SASの隊員3名。しかも3名からは、ある事件に関わった自白を引き出したうえで、事故に見せかけねばならなかった。
(2011年 アメリカ/オーストラリア)

【真面目に撮られているけれど】
 監督、脚本ともに初の長編である模様。その割に、大作の主役級3人が揃うというビックリするくらいの豪華キャストだ。

 ビッグネームを起用したことに負い目を感じずにすむくらいの仕上がりにはなっている。
 大切なことをセリフで説明しちゃっている部分もあるけれど、会話&計画部分と実行部分のメリハリはあるし、ほどほどに意外な展開で、まずまず興味を惹くストーリー。登場人物のキャラクター設定も安定している。
 望遠から寄りまで多彩なカットを軽快につなげ、スピード感や立体感を創出。銃撃に格闘とアクションはバリエーションに富み、ロケーションも砂漠に廃工場にパリの街中などと飛ぶ。
 全体に、手間暇かけて丁寧に作られているな、という印象だ。

 ジェイソン・ステイサムの身体のキレは、同い年とは思えぬくらいで、さすが。ほとんどスタントなしで演じているらしく、そのリアリティが作品の質向上に一役買っているのは間違いない。それに付き合うクライヴ・オーウェンも、こういう肉体派ができるんだと感心させられた。
 ドミニク・パーセルは、いわれるまでわからないくらい化けているし、イヴォンヌ・ストラホフスキーってキレイ。デ・ニーロは、なんでこの仕事を受けたのかわからん役だけれど、出てくれば出てきたで、やっぱり画面は引き締まる。

 というわけで、かなりしっかりと真面目に作られているんだけれど、ちょっと地味というか、手堅すぎるかなとも思う。アクションはふんだんだし、中だるみもないし、それなりに面白い。でも決定的な“何か”が足りないように感じるのだ。
 ふと「なんでもアリの極北を行く『24』って麻薬だったんだよな」なんて考えてしまう。要はそういうことなのかな。もはや、真面目に撮っているだけじゃアクション映画に満足できない身体になっているのかも知れん。

●主なスタッフ
撮影/サイモン・ダガン『ノウイング』
編集/ジョン・ギルバート『バンク・ジョブ』
美術/マイケル・マクガヒー『エピソードII』
衣装/キャスリン・ミルン『キング・コング』
衣装/オーデ・ブロンソン=ハワード『ハイド・アンド・シーク』
音楽/ジョニー・クリメック
音楽/ラインホルト・ハイル 以上『クラウド アトラス』
音響/アンドリュー・プレイン『奇術師フーディーニ』
音響/ポール・ピローラ『サンクタム』
SFX/ジョルジュ・デメトロー『96時間』
SFX/ダニー・ハーグリーヴス『シャーロック』
SFX/アンジェロ・サフィン『ゴースト・ライダー』
スタント/クリス・アンダーソン『デイブレイカー』
スタント/レイ・ダハーン『Dr.パルナサスの鏡』
スタント/セドリック・プルースト『ミラーズ』
スタント/チャド・スタヘルスキー『ハンガー・ゲーム』

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