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2015/03/23

デンジャラス・ラン

監督:ダニエル・エスピノーサ
出演:デンゼル・ワシントン/ライアン・レイノルズ/ヴェラ・ファーミガ/ブレンダン・グリーソン/ルーベン・ブラデス/ノラ・アルネゼデール/ロバート・パトリック/リーアム・カニンガム/ジョエル・キナマン/ファレス・ファレス/ファナ・モコエナ/サム・シェパード

30点満点中17点=監3/話2/出4/芸2/技4

【もっとも危険な男を逃がすために】
 南アフリカの隠れ家で連絡を待つだけの仕事に、これではキャリアを積めないと焦るCIA職員のマット。ある日、元CIAのトビン・フロストを匿うことになる。極秘情報を売買した挙句、何者かに命を狙われ米国総領事館に逃げ込んできた大物手配犯だ。が、謎の一団による急襲を受けて工作員チームは全滅、かろうじてマットとフロストだけが脱出する。なぜこの隠れ家の存在が漏れたのか? 内部の裏切りを訝りながら、ふたりは……。
(2012年 アメリカ/南アフリカ)

【スタイルも流れもいいけれど】
 これを観たのは、ちょうど元CIA職員エドワード・スノーデンの亡命騒動の頃。『ザ・ロック』とか『アメリカを売った男』とか、最近だと『ニュースルーム』とか、米国情報部の不法活動や機密情報ってのはしょっちゅう映画/ドラマの題材にされているし、彼の国での関心の高さというか、ネタとしての鉄板度をうがわせる。

 説明を省略して一気にアクションで見せる部分と、必要最低限の背景説明を観客に向ける作戦司令室の場面とをバランスよく配置、軽快かつスリリングな流れを生み出しているのが特徴。
 色調と陰影がコントロールされたデジタルっぽい画面、時制を細かく割りカットを細かく落として作られる各シーン、カメラを揺らして醸し出す緊迫感など、スタイリッシュさにも留意している模様。

 ま、パっと見は“ちょっと控えめなトニー・スコット”という雰囲気。監督はスウェーデン人でこれがハリウッド・デビュー、脚本は新進で、その先鋭的なセンスを、クライム・サスペンス&アクションに慣れたスタッフがちゃんと支えました、といった感じか。

 デンゼル・ワシントンは、撃たれた後のリアクションが安っぽくないあたりがさすが。ヴェラ・ファーミガはすっかり女性上司が板につき、ブレンダン・グリーソンは“いかにも”、貫録のサム・シェパードと、おっちゃんおばちゃんたちがそれぞれの役柄に狂いなくマッチする。唯一のキレイどころであるノラ・アルネゼデールの美貌も嬉しい。
 ライアン・レイノルズは相変わらずパっとしないんだけれど、そのパっとしないところが今回の役には合っているかも。

 そんなわけで、しっかり作られ澱みなく流れ、ダレることなく観ていられるのだけれど、心理を突く尋問の達人で世界から手配されている、というフロストの設定が、あまり生かされていないのがキズ。
 展開がほぼ一本道、南アフリカの警察が絡んでくるのは一瞬で、「マットは上手くいいくるめられているんじゃないか?」とか「あっちにもこっちにもタイプの異なる敵」といった“ふくらみ”がない。
 スタイリッシュで、下手に説明しないインテリジェンスもあるけれど、奥の深さと幅の広さに欠けるのが残念だ。

●主なスタッフ
撮影/オリヴァー・ウッド『ボーン・アルティメイタム』
編集/リチャード・ピアソン『007/慰めの報酬』
美術/ブリジット・ブロシュ『バンテージ・ポイント』
衣装/スーザン・マシスン『ザ・タウン』
音楽/ラミン・ジャヴァディ『彼が二度愛したS』
音響/ペール・ホールバーグ『アメリカン・ギャングスター』
SFX/テリー・フラワーズ『戦火の馬』
SFX/サム・コンウェイ『デビルクエスト』
SFX/コーデール・マックイーン『マシンガン・プリーチャー』
VFX/サイモン・ヒューズ『インモータルズ』
スタント/グレッグ・パウエル『ハリポタ』シリーズ
スタント/グラント・ハレー『第9地区』
スタント/オリヴィエ・シュナイデル『アンノウン』

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