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2015/07/23

THE GREY 凍える太陽

監督:ジョー・カーナハン
出演:リーアム・ニーソン/フランク・グリーロ/ダーモット・マローニー/ダラス・ロバーツ/ジョー・アンダーソン/ノンソー・アノジー/ジェームズ・バッジ・デール/ベン・ブレイ/アン・オープンショー/ジェームズ・ビトンティ/ジョナサン・ビトンティ/エラ・コサー

30点満点中16点=監3/話2/出3/芸4/技4

【雪と狼に囲まれて、彼らは生き延びられるのか】
 極寒のアラスカ。行き場を失くした荒くれ者たちばかりが集まる石油プラントで、周囲の野獣を駆除する仕事に就いているオットウェイ。彼や作業員たちを乗せた飛行機が墜落、オットウェイのほかわずか数名だけが幸運にも生き延びる。それまで秘かに死を望んでいたオットウェイだったが、生存者の先頭に立って助かる道を切り開こうとする。吹雪、寒さ、怪我、そして狼の群れが一行を苦しめ、ひとり、またひとりと脱落していく。
(2011年 アメリカ)

【どういう方向で作りたかったのか】
 この監督って『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』の人か。ああいうガチャガチャとして猥雑で楽しいモノのほうがあっているのかも知れない。

 近接の撮影と粒子感たっぷりの画質で、オットウェイ=リーアム・ニーソンの苦悩や寒々としたロケーションの魅力を余すところなくすくい取る。オフ気味の音声、天候ナリユキで撮ったんじゃないかと思わせるほどコロコロと変わる風向きなど、臨場感も申し分なし。
 飛行機墜落シーンの爆発力やシェイクぶり、アニマトロニクスやスペシャルメイクの仕上がりもマズマズ。川で流される場面では役者もスタントマンもカメラマンも身体を張っていることがよくわかる。

 ただ、どういう方向で作りたかったのかが謎。闇からのショッカー演出があったりして中盤は狼メインの動物サバイバルパニック。いっぽうオットウェイの立ち位置や、生と死の間で1つの結論に至るディアスを長回しで捉える場面などからは「もっと人間に寄った感じにしたかったはずだよね」という印象も残る。そのあたりのバランスがマズい。

 まぁ出てくるのがオッサンたちばかりなのはいいとして、雪と厚着に阻まれて顔が判別しにくく、キャラも立っていないしで、観る側が登場人物たちに近づくことを拒んでいるような感じ。雪と焚火ばっかりで見た目の変化にも乏しいから、集中力を削がれたままお話が進んでいく。

 これ、1行ずつ読み解きながら想像力を駆使して咀嚼する小説なら面白いかもなぁ、と思ったら、原作は短編小説らしい。わざわざ映画にする必要はなかったんじゃないか。
 あと、オットウェイの父親役の人は助監督で、幼い頃のオットウェイ少年役はその息子である模様。さぞかし低予算かと思いきや、これでも2500万ドルは費やしているみたい。雪山でのロケってだけで、かなり金を食ったんだろうなぁなどと、どうでもいいことが気になったりする。

●主なスタッフ
撮影/マサノブ・タカヤナギ『世界にひとつのプレイブック』
編集/ロジャー・バートン『ワールド・ウォーZ』
編集/ジェイソン・ヘルマン『デジャヴ』
美術/ジョン・ウィレット『ファイナル・デスティネーション』
衣装/コートニー・ダニエル『猿の惑星:創世記』
特殊メイク/グレゴリー・ニコテロ『プレデターズ』
特殊メイク/ハワード・バーガー『スペル』
音楽/マルク・ストライテンフェルト『プロメテウス』
音響/デイヴィッド・エヴァンス『アリス・イン・ワンダーランド』
音響/マーク・ギングラス『ソウ4』
SFX/ジェームズ・パラディ『エンジェルウォーズ』
VFX/ガンナー・ハンセン『アクロス・ザ・ユニバース』
スタント/ベン・ブレイ『フォース・カインド』

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