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2015/10/08

ダーケストアワー 消滅

監督:クリス・ゴラック
出演:エミール・ハーシュ/オリヴィア・サールビー/マックス・ミンゲラ/レイチェル・テイラー/ジョエル・キナマン/ヴェロニカ・ヴェルナドスカヤ/ダト・バクタツェ/ユーリー・クツェンコ/ニコライ・エフレモフ/ゲオルギィ・グロモフ/アルトゥール・スモリャニノフ/アナ・ルダコヴァ/ピョートル・ヒョドロフ

30点満点中16点=監3/話2/出3/芸4/技4

【人々が消された夜】
 モスクワまでやって来たものの、仲間であるスカイラーの裏切りで商談に失敗したショーンとベン。失意とともにバーで飲んだ夜、異変が街を包む。オレンジ色のオーロラが空を覆い、そこから降りてきた淡い光が次々に人間を消し始めたのだ。ショーンとベンはバーで知り合ったナタリーとアン、スカイラーとともに地下へ逃げ込む。数日後、外に出た彼らが目にしたのは、すっかり人の気配を失ったモスクワと、いまだ人を狩る光の存在だった。
(2011年 アメリカ)

【C級SFアクション】
 キリルを散らしたオープニングの雰囲気はいいんだけれど、本編が始まるとガクっ。なんか、安っぽい。選曲とか芝居とか。画面の作りは青春コメディかB級アクション、しかも80年代の雰囲気だ。

 ただ、オレンジの光が人を襲い始めるあたりから少しずつ持ち直す。地下室からの脱出以降には、それまでとは別人が撮ったんじゃないかっていうくらい“いま風SFスリラー”っぽさが詰まっている。
 ぶぅわしゃっと粒子化して消える人の様子とか、生気を失った街とか、見た目はなかなかにいい。終盤、転覆する船から投げ出される場面には迫力もあったし。

 役者としては、なるほど、若手売り出し株を揃えて親しみやすさを出しましたって感じか。でもエミール・ハーシュって、もうちょっとグレードの高い映画に出てもいいんじゃないか。
 あ、ナタリー役のオリヴィア・サールビー、可愛いと思ったら『JUNO/ジュノ』の友人役のコか。キレイに成長してくれている。

 でも結局のところは、C級SFアクション。『宇宙戦争』その他の侵略モノからチョロチョロっとアイディアを拝借し、例によってサバイバル技術もないクセに都合よくいろんな打開策を見つけちゃう若者が悪戦苦闘、っていうおバカな仕上がり
 ま、早い段階で光からの視点を挿入し、ヤツらに意志があることを描写したのはある意味で誠実。電磁波、ガラスによる遮蔽、ファラデー・ケージといった設定と小道具も、拙いうえにショーンの物分かりが良すぎてリアリティはないけれど、それなりに物語としての筋を通してある。

 全体に格は低く、もっとハラハラさせられたとも思うが、予算的にも才能的にもこれが精一杯か。

●主なスタッフ
脚本/ジョン・スペイツ『プロメテウス』
撮影/スコット・キーヴァン『デス・レース』
編集/プリシラ・ネッド・フレンドリー『幸せになるための27のドレス』
衣装/ヴァルヴァーラ・アヴジューシコ『ウォンテッド』
音楽/タイラー・ベイツ『星の旅人たち』
音響/ケリー・オックスフォード『デビル』
SFX/ブライアン・コックス『ナルニア国物語3』
VFX/ヴィクトル・ミュラー『デビルクエスト』
VFX/ドミトリ・トコヤコフ『ウォンテッド』
スタント/ヴィクトル・イワノフ『ボーン・アルティメイタム』

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