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2016/12/22

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

監督:デヴィッド・イェーツ
出演:エディ・レッドメイン/キャサリン・ウォーターストン/ダン・フォグラー/アリソン・スドル/エズラ・ミラー/サマンサ・モートン/カーメン・イジョゴ/ローナン・ラフテリー/ジョシュ・コーデリー/ゾーイ・クラヴィッツ/ダン・ヘダヤ/フェイス・ウッド=ブラグローヴ/ジェン・マーレイ/ロン・パールマン/ジョン・ヴォイト/コリン・ファレル/ジョニー・デップ

30点満点中17点=監3/話3/出3/芸4/技4

【あらすじ……魔法動物学者が遭遇するNY大騒動】
 1926年。闇の魔法使いグリンデバルドが跋扈し、人間界との関係も険悪となって魔法界が危機に曝されていた時代。アメリカへとやって来た魔法動物学者ニュート・スキャマンダーは、トランクに入っていた魔法生物たちをうっかり逃がしてしまう。折しもNYでは怪現象が多発中。アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)のティナやグレイブス、人間のコワルスキーらを巻き込んだ“危険な力=オブスキュラス”を巡る大騒動が始まる。
(2016年 イギリス/アメリカ)

【内容について……あくまでもスピンオフ】
 『死の秘宝』から、もう5年も経つのか。あらためて『ハリポタ』オリジナル・シリーズは偉大だったのだなぁと思う。
 スネイプがいない、ダンブルドアがいない、ヴォルデモートがいない。深く哀しい業を背負った“おじさま”たちの不在が、こうも物語を軽くしてしまうのかと驚く。そう、軽いのだ。

 過酷な運命、絆、希望と死闘を描いていたオリジナル・シリーズに対し、本作は(いまのところ)ドタバタ・アドベンチャー。あくまでスピンオフ以外の何物でもない、という印象を抱かせる。
 いや、スピンオフという範囲内では十分に面白い。テンポはいいし笑えるし切なさもあるし動物たちは可愛いし。

 ただ、やっぱり各キャラクターの深みの欠如とか、「思わぬ大騒動に巻き込まれちゃって、さぁ大変」に(少なくとも現時点では)とどまっているストーリー展開とか、そうした“浅さ・軽さ”はいかんともしがたいわけで。

 ま、そもそも「魔法界最大の事件を、7年の歳月をかけて描いたオリジナル・シリーズ」の重厚さと比較するのが間違っているのかも。ひとまず新シリーズの開幕編として大目に見るべきか。
 グリンデバルドの今後の動向(ダンブルドアの登場もある?)、2つのカップルの未来、恐らくは大きな役割を果たす(当シリーズにおける深みや哀しさを担う)であろうクリーデンスやオブスキュラス……などに期待しつつ、続編を待つことにしよう。

【作りについて……世界の広がりと立体感は見事】
 オープニングで例のテーマが流れた途端、ググっと『ハリポタ』の世界へ引き戻されるような感覚に襲われる。が、それも一瞬のこと。
 舞台が近代的なNY(つまりマグル/ノー・マジの世界)なものだから、それはそれはもう“別モノ感”で一杯。登場人物が初顔ばかりなのはいいとして、オリジナル・シリーズの中心にいた「拙い呪文しか使えない子ども」がおらず、みんな魔法スキルが高いってのも、ちょっと違和感。

 けれど、その“別モノ感”を許容してしまえば、楽しい画面が広がる。
 1920年代のNYの再現が見事。実写・セットとCGがシームレスにつながり、そこをカメラがグルングルンと縦横無尽に動くものだから、世界/舞台の立体感は、なかなかのもの。
 魔法動物のデザインもトランクの中のアートワークも素晴らしく、全体に美術とVFXのスタッフがよく頑張っているなぁ、という仕上がり。
 音響も、派手でスピーディーで立体的だ。

 主要スタッフがオリジナル・シリーズ終盤と共通しているのに、ここまで“別モノ感”を出せるってのも、考えようによっては凄い。

 役者は、かなり難しかったんじゃないかと思う。丁寧に時間をかけてキャラクターたちが描かれたオリジナル・シリーズとは違って、いきなりポンと作品世界に放り込まれた人物ばかりなのだから。
 なんとか“背景”とか“それまでの生きざま”を漂わせようと、ニュート役のエディ・レッドメインもティナ役のキャサリン・ウォーターストンも、よぉく考えてお芝居していたように思う。
 コワルスキー役ダン・フォグラーの、善人っぽくて、おかしなこともすぐ受け入れてしまう寛容さがナチュラルに滲み出ている感じは、本作におけるある種の救いだとも思う。

●主なスタッフ
監督/デヴィッド・イェーツ
脚本/J・K・ローリング
編集/マーク・デイ
美術/スチュアート・クレイグ
VFX/ティム・バーク
VFX/クリスチャン・マンズ 以上『死の秘宝』
撮影/フィリップ・ルースロ『シャドウ ゲーム』
美術/ジェームズ・ハンビッジ『ダークナイト・ライジング』
衣装/コリーン・アトウッド『スノーホワイト』
ヘアメイク/フェイ・ハモンド『ライフ・オブ・パイ』
音楽/ジェームズ・ニュートン・ハワード『ハンガー・ゲーム』
音響/グレン・フリーマントル『ゼロ・グラビティ』
SFX/デイヴィッド・ワトキンス『ワールド・ウォーZ』
スタント/アミ・ヴァージ『スカイフォール』

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