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2017/07/12

3月のライオン【後編】

監督:大友啓史
出演:神木隆之介/有村架純/倉科カナ/清原果耶/新津ちせ/板谷由夏/前田吟/染谷将太/中村倫也/尾上寛之/佐々木蔵之介/加瀬亮/岩松了/斉木しげる/綾田俊樹/森岡龍/高橋一生/奥貫薫/小橋めぐみ/大西利空/原菜乃華/萩原利久/鈴木雄大/三好杏依/中田青渚/吉本菜穂子/伊勢谷友介/伊藤英明/豊川悦司

30点満点中18点=監4/話3/出4/芸4/技3

【あらすじ……棋士として、人として】
 獅子王戦トーナメントを勝ち進む零。いっぽう幸田家では、棋士への夢を断たれた歩は引きこもり、香子は妻を持つ後藤との関係を続けていて、家庭崩壊の危機にされされていた。難病に悩む二海堂や植物状態の妻を見舞う後藤など、他の棋士も問題を抱えている。また川本家では、ひなたが学校でのイジメに苦しみ、女を作って家族を捨てた父・甘麻井戸誠二郎が帰ってきて三姉妹を戸惑わせる。そんな中で零は、ある決意を胸に抱くのだった。
(2017年 日本)

【内容について……人として、棋士として】
 前編で観客の反応を確かめてから後編、という方法ではなく、大きな映画を2つに分けて公開、というスタイル。
 分割した割には詰め込み過ぎで走り過ぎ、という印象はあるものの、物語や映画としての連続感・一体感をキープしている点、前後編を通じて「軸をぶらさない」という制作スタンスを貫いている点は誠実だ。

 誰もが、自分の知らないところで、誰かの救いになることがある。零と幸田、歩、川本家、二海堂、担任の林田、あるいは後藤と妻や香子との関係などに、そうした“人の世の機微”がうかがえる。それが後編の軸。

 ただし宗谷名人の姿からは、そうした“情”のようなものを捨てないことには強くなれない、という勝負の世界の真理と冷酷さも感じ取れる。ひょっとすると零も、自分の存在価値を「強さ」だけに見出していた頃なら、同じ道を進もうとしたかも知れない。

 けれど零は三姉妹との関わりの中で、二海堂の熱さや島田の真面目さなどに触れて、人でいること、人間でいたまま強くなる道を模索し始める。その決意のあらわれが、ラストシーンで登場するニャーのマスコットだ。

 何をどのタイミングで、どんな動機で、捨てて選んで執着して大切に思って自分の中に取り込もうが、勝負の世界で生きる限りは、どうしたって苦難と無縁ではいられない。その覚悟を少しずつ育みはじめた零の生きざまを見守りたいと思わせる、そんなエンディングである。

【作りについて……清原果耶】
 全体的なイメージは前編と共通。
 ひなた役・清原果耶の大爆発、女優さんとしての魅力炸裂が嬉しい。前編公開時の舞台挨拶で遠目に見たけれど、彼女って顔がこぉんなに(自分のゲンコツくらい)小っちゃいんだよ。その小ささの中にほとばしる想いに痺れる。俺にくれ。

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